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MMWR抄訳

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2023/04/14Vol. 72 / No. 15

MMWR72(15):404-410
Epidemiologic and Clinical Features of Mpox-Associated Deaths — United States, May 10, 2022–March 7, 2023

mpox関連死の疫学的および臨床的特徴 ― アメリカ、2022年5月10日~2023年3月7日

2023年3月7日時点でアメリカではサル痘(mpox)の確定または高度疑い症例が計30,235例報告され、大部分が男性と性的接触のあるシスジェンダー男性であった。このうち死亡例は52例であり、CDCに2022年5月10日~2023年3月7日に報告されたうち38例(73.1%)がmpox関連死と分類された。死亡した時期は38例のうち25例(65.8%)が2022年10月~11月であり、38例の年齢中央値は34歳(22~58歳)、36例(94.7%)がシスジェンダー男性であり、シスジェンダー女性およびトランスジェンダー女性が各1例であった。人種/民族は非ヒスパニック系黒人/アフリカ系アメリカ人(黒人)が33例(86.8%)と最も多く、2022年5月10日~2023年3月7日に報告されたmpox関連疾患の生存例(30,183例)のうち黒人の割合は32.9%(9,295例)であった。死亡例の居住地は南部が18例(47.4%)と半数近くを占めたのに対し、南部に住む生存例は39.4%であった。38例のうち、発症前3週間以内に性的接触または親密な接触をしたのは16例であり(42.1%)、性的接触のあった10例(62.5%)のうち9例はシスジェンダー男性との接触があった。2例にmpox患者との非性的接触があった(添い寝、介護など)。データのある11例のうち5例がホームレス経験者であり、HIV陽性または免疫不全は死亡例では33例(86.8%)、生存例では13,549例(44.9%)に認め、そのうちHIV陽性例はそれぞれ31例(93.9%)、5,186例(38.3%)であった。臨床データは27例(71.0%)で明らかであり、mpox発症から死亡までの期間中央値は68日 (1~146日)、集中治療室には20/23例(87.0%)が入院した。薬物治療情報は27例にて明らかであり、テコビリマットは25/27例(92.6%)に投与され、ワクシニア免疫グロブリン静注(VIGIV)は18/24例(75.0%)、シドフォビルは9/22例(40.9%)、ブリンシドフォビルは6/15例(40.0%)に投与された。テコビリマットが投与された25例のうち、15例(60%)はmpox診断から3日以内の投与であったが、6例は3週間以上経過してから投与されていた。データが明らかな24例において全例に壊死病変、びまん性病変、テコビリマット(14日間コース)治療後の悪化などを認めた。臨床医の判断によりmpox治療薬が投与されなかった2例のうち1例は併存疾患による禁忌、もう1例は初診時にウイルスが検出されず、HIVに対する抗レトロウイルス治療(ART)を受けており、1カ月後には死亡した。HIVに関するデータは24例にて明らかであり、全例でCD4数が200cells/mm3未満であり、23例(95.8%)は50cells/mm3未満であった。HIVに感染していない免疫不者2例のうち、1例は糖尿病(未診断)の合併症である糖尿病性ケトアシドーシスであり、もう1例は腎移植に伴う急性拒絶反応により重度の免疫不全状態であった。HIV陽性例のうち22例(88.0%)がARTを受け、2例(9.1%)はmpox診断前より、19例(86.4%)は診断後より開始、1例はARTを拒否していた。mpox関連死を低減させるためにはmpoxおよびHIVの予防および治療への公平で早期のアクセスが重要である。

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