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MMWR抄訳

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2023/03/10Vol. 72 / No. 10

MMWR72(10):249-255
Racial and Ethnic Differences in Subjective Cognitive Decline — United States, 2015–2020

人種および民族別による主観的認知機能低下における格差 ― アメリカ、2015年~2020年

主観的認知機能低下(SCD)は、悪化またはより頻繁に起こる記憶障害または混乱の自己報告による経験であるが、初期段階の認知症やアルツハイマー病または関連する認知症(ADRD)のような将来の深刻な認知機能低下の症状である可能性がある。ADRDの確立された修正可能な危険因子には、高血圧、不十分な身体活動、肥満、糖尿病、うつ病、現在の喫煙、難聴が含まれる。アメリカでは、65歳以上の推定650万人がアルツハイマー病を抱えて生きている。この数は2060年までに2倍になり、非ヒスパニック系黒人/アフリカ系アメリカ人(黒人)およびヒスパニック系/ラテン系(ヒスパニック系)の成人にて最も大きく増加すると予測されている。CDCはBehavioral Risk Factor Surveillance System(BRFSS)のデータを使用して、2015年~2020年のSCDの割合における人種/民族、特定の人口統計学的および地理的な違い、医療専門家と話し合ったSCDの人の割合について評価した。BRFSSは、特定の組織に属していない18歳以上のアメリカの成人を対象とし、年1回、固定電話と携帯電話のランダムデジットダイヤリングによる横断調査である。BRFSSの6つの質問からなる認知機能低下に関するオプションモジュールは、2015年~2020年にかけて、50州すべて、プエルトリコ、ワシントンDCの45歳以上の成人に対し、少なくとも1回実施された。45歳以上の成人の9.6%が、過去12カ月間にSCDを経験していた。SCDの割合は、年齢が上がるにつれて増加し、健康保険加入者(9.5%)では、健康保険未加入者(11.6%)よりも少なく、学歴が高いほど少なかった。高校卒業未満の学歴(16.4%)、婚姻歴がある独身(13.6%)、75歳以上(13.3%)の人では全体的なSCDの割合が最も多かった。年齢で調整したSCDの割合は、非ヒスパニック系アメリカ先住民/アラスカ先住民(16.7%)とヒスパニック系(11.4%)にて非ヒスパニック系白人(白人、9.3%)よりも多く、アジア人/太平洋諸島民(5.0%)では少なく、黒人(10.1%)は白人と同等であった。この人種/民族による格差パターンは、調査したほとんどの人口学的サブカテゴリーで認められた。未調節での全体のSCDの割合は、アラバマ州(14.3%)、オクラホマ州(14.1%)、フロリダ州(13.6%)、ルイジアナ州(13.6%)、ウェストバージニア州(13.6%)、テネシー州(12.9%)、ニューメキシコ州(12.8%)で多く、イリノイ州で最も少なかった(6.1%)。SCD成人で自身の混乱や記憶障害について医療専門家と話し合ったのは47.3%のみであった。認知機能の変化について医師と話し合うことは、潜在的に治療可能な疾患の特定、認知症の早期発見、認知症のリスク軽減行動の促進、成人が健康で自立した状態をできるだけ長く維持するための治療またはケアプランの確立を可能にする。

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