一般財団法人 国際医学情報センター 信頼できる医学・薬学・医療情報を適切に提供することによって健康社会に貢献します。

一般財団法人 国際医学情報センター

IMICライブラリ IMIC Library

ホームIMICライブラリMMWR抄訳2023年(Vol.72)ジエチレングリコールが混入した薬剤と関連がありそう・・・

MMWR抄訳

rss

2023/03/03Vol. 72 / No. 9

MMWR72(9):217-222
Acute Kidney Injury Among Children Likely Associated with Diethylene Glycol–Contaminated Medications — The Gambia, June–September 2022

ジエチレングリコールが混入した薬剤と関連がありそうな小児における急性腎障害 ― ガンビア、2022年6月~9月

2022年7月26日、西アフリカの国であるガンビアの首都バンジュールにあるEdward Francis Small Teaching Hospitalの小児腎臓医がガンビア保健省(MoH)に小児における急性腎障害(AKI)症例のクラスターについて警告した。AKI症例数および死亡数は基準値を大きく上回り、8月12日までに全国の施設から小児AKIが 37例報告され、そのうち30例が死亡した(致命率81%)。8月23日、MoHはCDCに支援を要請し、9月16日に疫学者、人類学者、感染症医、環境保健学者を含むCDCのチームが到着し、病気の特徴づけと曝露の特定を行った。また、MoHはWHOと共同で患者が使用した可能性のある医薬品を検査した。2022年9月29日時点で、MoHは臨床的にAKIが疑われる78例を特定しそのうち66例が死亡した(85%)。ほどんどの症例が2歳未満であり(75%)、60%が男児であった。保護者27名へのインタビュー調査と患者52名の診療記録レビューのデータを統合し、59例の症例報告書が完成した。このうち、今回の調査では、AKI確定症例の定義(今回のAKIアウトブレイクの原因として疑われる薬剤の国内輸入日である6月21日~9月29日の間に24時間以上持続する原因不明の無尿を来した8歳以下の小児)に合致する56例を解析対象とした。初発の徴候/症状として30例(54%)が発熱、28例(50%)が嘔吐、19例(34%)が下痢/軟便を来した。疾患の経過中、全例が無尿と発熱、53例(95%)が嘔吐、41例(73%)が下痢/軟便、27例(48%)が食欲減退や授乳量の減少を来した。症状の発現から無尿までの期間中央値は5日[四分位範囲(IQR):2~7日]、死亡した26例における無尿から死亡までの期間中央値は6日(IQR:3~7日)であった。臨床検査値異常は66~100%の症例に認められ、腎機能障害および肝機能障害、血小板減少、軽度~中等度の貧血などであった。腹膜透析は14例、血液透析は1例に施行され、透析を受けた15例全例が死亡した。保護者26名のインタビュー調査では、全員が無尿の発症前に子供に処方薬または市販のシロップベースの薬剤[パラセタモール(アメリカではアセトアミノフェンとして知られ、一般的に発熱時に投与する)など]を飲ませており、小児14例(47%)では入院前に4種類以上の薬を服用していた。多くの保護者は子供に飲ませた薬の名前を思い出せなかったが、14名(54%)にて少なくとも1つの製造会社の名前を確認できた。治療した医師の予備報告では、AKI発症前に保護者がパラセタモールやプロメタジンを子供に飲ませていたことが判明したことに基づき、MoHは9月7日にパラセタモール、9月16日にプロメタジンシロップの使用を中止するよう勧告を出した。MoHとWHOにより23の薬剤サンプルが分析され、Maiden Pharmaceuticals Limited社(インド、ハリヤナ州)製の4製品にジエチレングリコールとエチレングリコールが含まれていることが確認された。これらの医薬品は2022年6月21日にガンビアに輸入されていた。2022年10月4日、MoHはこの製薬会社のすべての医薬品の輸入を停止するとともに、医療従事者に対しこの製薬会社の医薬品の処方、調剤、使用を中止するよう要請した。10日5日にはWHOがこれら4製品について世界中にmedical product alertを発し、MoHはWHO、ユニセフ、ChildFund The Gambia、ガンビア赤十字社と共同で、パラセタモール、プロメタジン、咳止めシロップの全製品と今回の製薬会社の全製品のリコールおよび回収を支援した。また、MoHはこの製薬会社の製品が販売されないよう、薬局での抜き打ち検査を実施し、継続している。

References

  • World Health Organization. Substandard (contaminated) pediatric medicines identified in WHO region of Africa. Geneva, Switzerland: World Health Organization; 2022. Accessed November 11, 2022. <https://www.who.int/news/item/05-10-2022-medical-product-alert-n-6-2022-substandard-(contaminated)-paediatric-medicines>
  • Rentz ED, Lewis L, Mujica OJ, et al. Outbreak of acute renal failure in Panama in 2006: a case-control study. Bull World Health Organ 2008;86:749–56. PMID:18949211 <https://doi.org/10.2471/BLT.07.049965>
  • CDC. Fatal poisoning among young children from diethylene glycol-contaminated acetaminophen—Nigeria, 2008–2009. MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2009;58:1345–7. PMID:20010509
  • Singh J, Dutta AK, Khare S, et al. Diethylene glycol poisoning in Gurgaon, India, 1998. Bull World Health Organ 2001;79:88–95. PMID:11242827
  • CDC. Fatalities associated with ingestion of diethylene glycol-contaminated glycerin used to manufacture acetaminophen syrup—Haiti, November 1995–June 1996. MMWR Morb Mortal Wkly Rep 1996;45:649–50. PMID:8769471
  • Schep LJ, Slaughter RJ, Temple WA, Beasley DMG. Diethylene glycol poisoning. Clin Toxicol (Phila) 2009;47:525–35. PMID:19586352 <https://doi.org/10.1080/15563650903086444>
  • Schier JG, Rubin CS, Miller D, Barr D, McGeehin MA. Medication-associated diethylene glycol mass poisoning: a review and discussion on the origin of contamination. J Public Health Policy 2009;30:127–43. PMID:19597445 <https://doi.org/10.1057/jphp.2009.2>
  • Caudron JM, Ford N, Henkens M, Macé C, Kiddle-Monroe R, Pinel J. Substandard medicines in resource-poor settings: a problem that can no longer be ignored. Trop Med Int Health 2008;13:1062–72. PMID:18631318 <https://doi.org/10.1111/j.1365-3156.2008.02106.x>
  • Balajee SA, Salyer SJ, Greene-Cramer B, Sadek M, Mounts AW. The practice of event-based surveillance: concept and methods. Glob Secur Health Sci Policy 2021;6:1–9. <https://doi.org/10.1080/23779497.2020.1848444>

ページトップへ

一般財団法人 国際医学情報センター

〒160-0016 
東京都新宿区信濃町35番地 信濃町煉瓦館
TEL:03-5361-7080 (総務課)

WEBからのお問い合わせ

財団や各種サービスについてのお問い合わせ、お見積もりのご依頼、
サービスへのお申し込みはこちらをご覧ください。

お問い合わせ