ホームIMICライブラリMMWR抄訳2023年(Vol.72)HIVの抗レトロウイルス療法のスケールアップと感染・・・
2023/01/27Vol. 72 / No. 4
MMWR72(4):90-94
Scale-Up of HIV Antiretroviral Therapy and Estimation of Averted Infections and HIV-Related Deaths — Uganda, 2004–2022
2003年1月28日、アメリカ大統領エイズ救済緊急計画(PEPFAR)が発表され、これは歴史上のあらゆる国による単一疾患に対処するものの中で最大のコミットメントである。2004年4月、PEPFARが支援する抗レトロウイルス療法(ART)を世界で最初に受けた人はウガンダの34歳男性であった。効果的なARTは、HIV感染者の疾病率および死亡率を低下させ、ウイルス量が検出不能レベル(20ウイルスコピー数未満/mL)に抑制された時点で、母子感染(MTCT)と性感染の両方を予防する。ウガンダでは、2004年9月30日から2022年9月30日にかけて、PEPFAR支援ARTを受けているHIV感染者数は、26,365名から1,313,952名へと4,884%増加し、2005年9月30日から2022年9月30日にかけて、PEPFAR支援ARTを受けている成人のHIV感染症者数は45,061名から1,255,983名に2,687%増加し、PEPFAR支援ARTを受けている小児のHIV感染症者数は4,577名から57,969名に1,167%増加した。また、PEPFAR支援ARTを受けている女性および男性のHIV感染者数はそれぞれ、28,836名から853,103名に3,723%、20,802名から460,849名に2,115%増加した。ARTプログラムの有効性の指標として代理的なMTCT率は2010年の6.4%から2022年の1.5%に77%減少し、ウイルス量抑制率(1,000ウイルスコピー数未満/mL)は2016年の91%から2022年9月の94%に3%増加した。2004年~2022年、ARTのスケールアップにより、HIVに曝露した乳児231,833名を含む推定491,345名のHIV感染が回避された。この期間中、推定586,074名のHIV関連の死亡が回避された(年間中央値32,179名)。将来は、すべてのHIV感染者を特定し、有効なARTに迅速に結び付けることに重点的に取り組む。PEPFARは、ウガンダ政府、市民社会、その他の開発パートナーと、2030年までに世界的なAIDS流行を終結させ、安全防護対策の効果が長期的に達成されるために、Joint United Nations Programme on HIV/AIDS(UNAIDS)のファストトラック戦略に協調した持続可能な解決に向けて、引き続き強力なパートナーシップを維持していく。
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