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MMWR抄訳

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2023/01/20Vol. 72 / No. 3

MMWR72(3):73-79
Reasons for Receiving or Not Receiving Bivalent COVID-19 Booster Vaccinations Among Adults — United States, November 1–December 10, 2022

成人における2価COVID-19ワクチンブースター接種の接種理由と非接種理由 ― アメリカ、2022年11月1日~12月10日

SARS-CoV-2感染および重症化に対する予防効果を増強するため、従来型株およびオミクロンBA.4/BA.5変異株の両方に対する予防として開発された2価COVID-19ワクチンのブースター接種が推奨されているが、アメリカの成人における接種率は低い。今回、COVID-19ワクチンを1回以上接種した18歳以上のアメリカ成人1,200名を対象に、2価ワクチンのブースター接種をする理由としない理由を評価するため、オプトイン式インターネット調査が実施され、2022年11月1~5日(初回調査)と12月6~10日(追跡調査)のデータが収集された。サンプリング調査対象は18~39歳、40~59歳、60歳以上がほぼ同数となるよう割り当て抽出法が用いられ(各406名、397名、397名)、調査参加者はCOVID-19感染歴およびCOVID-19ワクチン接種歴を報告し、2価ワクチンのブースター接種の接種理由または未接種理由をそれぞれ10の理由から複数選択し、他の理由も任意に入力できるようにした。調査参加者はほぼ2/3が非ヒスパニック系白人(65.4%)、女性は約半数(51.9%)であった。ほとんどの参加者(95.8%)がCOVID-19ワクチンを2回以上接種しており、そのうち396名(34.4%)が2価ワクチンのブースター接種をし、714名(62.1%)がワクチン未接種であった。2価ワクチンのブースター接種者は中央値で5つのワクチン接種理由を選択し、自分自身を守るため(90.7%)、重症化を防ぐため(80.6%)、他の人を守るため(75.0%)が多かった。2価ワクチンブースターの未接種者では中央値1つの未接種理由を選択し、年齢によって理由が異なっていた。18~39歳では、自分が2価ワクチンブースター接種対象者であると知らなかった(29.8%)、2価ワクチンブースター接種ができるようになったと知らなかった(23.5%)、感染に対する自分の防御力はまだ強いと思っている(18.4%)などが多く、40~59歳では、自分が2価ワクチンブースター接種対象者であると知らなかった(22.1%)、重症化に対する自分の防御力はまだ強いと思っている(21.3%)、感染に対する自分の防御力はまだ強いと思っている(18.5%)などが多く、60歳以上では、感染に対する自分の防御力はまだ強いと思っている(20.2%)、副反応の懸念(17.5%)、2価ワクチンブースター接種が有効性であるか不明(16.1%)が多かった。40~59歳および60歳以上の2価ワクチンブースター未接種者では感染や重症化に対し自分には十分な防御力があると思っているとの回答が多かったが、これらの理由を挙げた223名のうち、160名(71.7%)は過去6カ月以内にSARS-CoV-2ウイルス感染歴またはCOVID-19ワクチン接種歴がなく、114名(15%)は一度も感染していなかった。2価ワクチンブースター未接種者はワクチン未接種理由を選択後にワクチン接種の対象である可能性に関するメッセージを読んだ後、ブースター接種の接種意志に関する質問に対し、2/3以上(67.8%、484/714名)がブースター接種を受けるつもりであると回答した。1カ月後の追跡調査では、ブースター接種を予定していた427名のうち122名(28.6%)がブースター接種をした。接種をするつもりではあるが、まだ接種していない305名のうち252名は接種を受ける意志を継続しており、3名は受けるつもりがない、50名はわからないと回答した。まだブースター接種を受けていない理由は、忙しい(35.6%)、忘れていた(22.7%)、副反応の懸念(22.7%)が多かった。2価ワクチンブースター接種の接種率を高めるためには、医療従事者や公衆衛生の専門家がエビデンスに基づいた戦略を用い、ブースター接種の推奨、免疫力の低下に関する情報を提供し、アクセスの利便性を高める取り組みをする必要がある。

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