ポリオ根絶に向けた進展 ― アフガニスタン、2021年1月～2022年9月

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MMWR抄訳

2022/12/09Vol. 71 / No. 49

MMWR71(49):1541－1546
Progress Toward Poliomyelitis Eradication — Afghanistan, January 2021–September 2022

ポリオ根絶に向けた進展 ― アフガニスタン、2021年1月～2022年9月

アフガニスタンとパキスタンの2カ国では依然として野生株ポリオウイルス1型(WPV1)が流行しており、2019年～2020年は、2014年以降で最も多くのWPV1症例数が報告され、伝播型ワクチン由来ポリオウイルス2型(cVDPV2)のアウトブレイクもあった。アフガニスタンでは、WPV1の症例数が2019年の29例から2020年には56例と2倍近くなり、2020年は308例のcVDPV2症例が報告された。アフガニスタン政府は長年の激しい紛争後の2021年8月15日に事実上、タリバン政権に完全に置き換えられた。今回、2021年1月～2022年9月のアフガニスタンでのポリオ根絶に向けた活動と進捗状況について説明し、以前の報告から更新する。2021年7月～10月に追加ワクチン接種活動(SIA)は行われなかったが、政権移行後の2021年11月にすべての地区でSIAが再開され、その後、これまでワクチンにアクセスできなかった350万～450万人に接種された。一方、南部地域の重要な州であるカンダハール州、ヘルマンド州、ウルーズガーン州では、SIAに対する制限がまだ実施されている。2021年1月～12月はWPV1の4例とcVDPV2の43例が確認され、2020年(WPV1が56例、cVDPV2が308例)からそれぞれ93％、86％減少した。2022年1月～9月はWPV1が2例確認されたが、cVDPV2症例はいなかった。2021年と2022年の計6例のWPV1症例は生後10～25カ月齢、3例は定期予防接種(RI)サービスを通じて経口ポリオウイルスワクチン(OPV)を接種したことがなかったが、SIAにより1回接種したことがあり、1例はOPVをまったく接種しておらず、1例はRIによる2回とSIAによる1回の接種、1例はRIによる4回とSIAによる7回の接種をしていた。15歳未満の10万人あたり2例以上の非ポリオ急性弛緩性麻痺(NPAFP)症例の検出と、急性弛緩性麻痺(AFP)症例の80％以上から適切な便検体の収集により、サーベイランスが麻痺性ポリオの症例を検出するために十分な感度であることが示される。アフガニスタンの15歳未満の人口10万人あたりのNPAFP率は2021年では19例、2022年1月～8月では年換算で25例であった。適切な検体によるAFP症例の割合は、2021年では94％、2022年は調査時点までで95％であった。アフガニスタンのポリオウイルスサーベイランスの補完として環境サーベイランス(ES)も実施されており、13州30箇所の下水が検査されている。2021年は、WPV1検体1件のみがヘルマンド州のESサンプルから検出され、2022年は10月20日時点で3カ所にてWPV1が検出された(東部にあるナンガハール州1カ所とクナル2カ所)。2021年、cVDPV2は40のESサンプルから分離された(ヘルマンド州、ヘラート州、カーブル州、カンダハール州、クンドゥーズ州、ナンガルハール州)。すべての子供たちにワクチンを接種する取り組みが強化および拡大されれば、アフガニスタンには2023年中にWPV1伝播を阻止する機会がある。

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