ホームIMICライブラリMMWR抄訳2022年(Vol.71)障害のある/ないメディケア受給者におけるCOVID・・・
2022/06/17Vol. 71 / No. 24
MMWR71(24):791-796
COVID-19 Cases and Hospitalizations Among Medicare Beneficiaries With and Without Disabilities — United States, January 1, 2020–November 20, 2021
アメリカでは成人の約27%に障害があり、そのうち何人かはメディケア受給資格を得ている。障害者は一般集団に比べ、COVID-19に関連する重症転帰のリスクが高いが、一般化可能性または特定の障害(知的障害など)に関連するもののみの研究は限られている。障害者に対するCOVID-19の影響、年齢が罹患率の一因となるかについて検討するため、18歳以上のメディケア受給者を障害による受給適格者(障害適格者)と年齢(65歳以上)による受給適格者(年齢適格者)に分け、2020年1月~2021年11月のCOVID-19症例および入院について評価した。調査対象者は計68,911,412名、年齢適格者が53,814,118名(78%)、障害適格者が15,097,294名(22%)であった。10万人あたりのCOVID-19累積罹患率は年齢適格者(8,102名)に比べ、障害適格者にて有意に高く(10,978名)、10万人あたりのCOVID-19関連入院率も年齢適格者(2,129名)、障害適格者(3,148名)にて有意に高かった。10万人あたりの入院率は、男女ともに障害適格者にて年齢適格者よりも有意に高く(男性:3,121名 vs. 2,350名、女性:3,175名 vs. 1,951名)、どちらの適格者ともに年齢上昇に伴い高くなった。人種/民族別の入院率(10万人あたり)は、アメリカンインディアン/アラスカ先住民にて最も高く(障害適格者4,962名、年齢適格者5,024名)、次に黒人/アフリカ系アメリカ人にて多かった(それぞれ4,323名、3,318名)。COVID-19関連入院期間中央値は、障害適格者、年齢適格者ともに7日であり、どちらの適格者ともに自宅退院が最も多く(障害適格者58.0%、年齢適格者54.4%)、その次に多かったのは高度看護施設への施設退院(それぞれ16.9%、17.6%)であった。院内死亡率は年齢適格者(19.0%)に比べて障害適格者(16.5%)にて低かったが、65歳以上の障害適格者(19.1%)では同等であった。障害適格者の91.4%、年齢適格者の90.6%が複数の基礎疾患を有しており、評価した18疾患のうち16疾患(肥満、うつ、慢性閉塞性肺疾患、慢性腎臓病、心不全、貧血など)の有病率は65歳以上の障害適格者にて年齢適格者よりも高かった。
Copyright © 2013 International Medical Information Center. All Rights Reserved.