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MMWR抄訳

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2022/05/27Vol. 71 / No. 21

MMWR71(21):697-702
Barriers to and Disparities in Access to Health CareAmong Adults Aged ≥18 Years with Epilepsy — United States, 2015 and 2017

18歳以上のてんかん成人における医療への障壁およびアクセス格差 ― アメリカ、2015年および2017年

アメリカでは、約300万人の成人が活動性てんかん(医師により診断されたてんかんの自己申告による病歴があり現在てんかん薬を服用している、または過去1年間に少なくとも発作があった、あるいはその両方など)を有している。最も多い脳障害の1つであるてんかんは、治療が複雑で、発作コントロール達成には日常の管理が不十分である可能性があり、社会参加が制限されるとともに、てんかんは早期死亡率と関連しているため、この疾患を抱える人に多くの課題をもたらす。過去の研究では、てんかん患者は、てんかんの専門的治療を含む特定の種類の治療を受ける際に障壁または遅延を経験する傾向が高く、これらの遅延は、個々の要因(発作の種類など)または健康の社会的決定要因(世帯収入や医療利用状況など)が関連していることが多い。18歳以上のアメリカ成人において、てんかんの状態による医療へのアクセスに関する最新の推定値を得るために、CDCは2015年と2017年のNational Health Interview Surveyのプールされたデータを分析し、活動性てんかんまたは非活動性てんかん(医師により診断されたてんかん自己申告の病歴があるが、現在てんかん薬を服用しておらず、過去1年以内に発作がない)の成人とてんかんのない成人を比較する年齢で調整して分析した。2015年~2017年、活動性てんかん成人は、てんかんのない成人と比較して保険無加入の割合が少ない傾向であり(6.5% vs. 11.0%)、活動性てんかん成人、非活動性てんかん成人ではてんかんのない成人と比べ、民間保険加入者が少ない傾向であり(それぞれ39.3%、53.9% vs 64.9%)、メディケイドまたはその他の公的医療保険に加入している傾向が多かった(それぞれ44.4%、27.3%、15.6%)。また、活動性てんかん成人、非活動性てんかん成人は、処方薬や専門的な治療、視力または歯科治療を行う余裕がない傾向が多かった。さらに、活動性てんかん成人、非活動性てんかん成人は、節約のために処方されたよりも少ない薬を服用し、医療費の支払いに問題がある家庭におり、交通機関が不十分なために治療が遅れている傾向があった。公衆衛生の専門家とてんかんの医療および社会サービス提供者による臨床と地域社会のプログラムおよびサービスの間の連携を強化することで、医療へのアクセスのギャップに対処することができる。

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