オミクロン変異株が広範囲に流行中の介護施設入居者のSARS-CoV-2感染予防におけるCOVID-19ワクチンのプライマリー追加接種またはブースターワクチン接種の有効性 ― アメリカ、2022年2月14日～3月27日

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MMWR抄訳

2022/05/06Vol. 71 / No. 18

MMWR71(18):633－637
Effectiveness of a COVID-19 Additional Primary or Booster Vaccine Dose in Preventing SARS-CoV-2 Infection Among Nursing Home Residents During Widespread Circulation of the Omicron Variant — United States, February 14–March 27, 2022

オミクロン変異株が広範囲に流行中の介護施設入居者のSARS-CoV-2感染予防におけるCOVID-19ワクチンのプライマリー追加接種またはブースターワクチン接種の有効性 ― アメリカ、2022年2月14日～3月27日

介護施設の入居者はCOVID-19関連の疾病率および死亡率が不均衡に高いことから、初期のCOVID-19ワクチン接種が優先的にされた。ワクチンにより誘導された免疫はプライマリー接種[Pfizer社-BioNTech社製またはModerna社製のmRNAワクチンは2回接種、Johnson & Johnson社(ヤンセン社)製のAd26.COV2ワクチンは1回接種]後に低下することは報告されたことから、CDCは12歳以上のすべての人にブースターワクチン接種を推奨しており、また、介護施設入居者の多くを含む中等度～重度免疫不全者には、プライマリー接種の追加を推奨している。今回、オミクロン株優勢期(2022年2月14日～3月27日)に高度看護施設(SNF)からCDCのNational Health Safety Networkに報告されたCOVID-19サーベイランスおよびワクチン接種率のデータを分析し、COVID-19ワクチンのプライマリー追加接種またはブースターワクチン接種のCOVID-19感染に対する相対的なワクチン有効性(VE)を推算し、プライマリー接種と比較した。感染者のワクチン接種状況は、1)プライマリーシリーズ接種のみ、2)プライマリーシリーズ接種後に追加接種またはブースター接種、3)未接種(接種なし、または1回接種からCOVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2検査の陽性結果までの期間が14日未満)、4)その他(1回接種からSARS-CoV-2検査の結果陽性までの期間が14日以上、または接種状況不明)に分類した。全体でSNF 15,090施設が2022年2月14日～3月27日に89,671件の週間症例を報告し、15,102施設が2022年1月31日～3月13日に89,969件の週間居住者を報告した。除外基準を適用後に、SNFごとの週間症例と居住者数のデータをペアリングし、SNF 14,758施設、85,494件が分析対象となった。報告された週単位の入居者数中央値は1,126,198名であり、約22％がプライマリー接種シリーズのみ、65％がプライマリーシリーズの追加接種またはブースター接種を受けていた。接種されたワクチンは90％超がCOVID-19 mRNAワクチンであった。確定診断されたSARS-CoV-2の週間粗感染率は、調査期間中にすべてのワクチン接種グループにて低下したが、追加接種またはブースター接種を受けた居住者の感染率は、プライマリーシリーズ接種のみの居住者、未接種の居住者に比べて低かった。全体では、プライマリーシリーズ接種のみの居住者では、1,509,674居住者-週にて7,510例、追加接種またはブースター接種した居住者では4,416,401居住者-週にて11,334例が確認され、粗感染率はそれぞれ5.0％、2.6％であり、プライマリーシリーズ接種のみに対する追加接種またはブースター接種のSARS-CoV-2感染に対する調整後の相対的なVEは46.9％であった。免疫不全である介護施設入居者はプライマリー接種シリーズの追加接種を受けるべきであり、介護施設入居者は全員、COVID-19予防のため、接種対象であればブースター接種を受けるべきである。

References

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