ホームIMICライブラリMMWR抄訳2020年(Vol.69)COVID-19の最初の100例 ― ザンビア、2・・・
2020/10/23Vol. 69 / No. 42
MMWR69(42):1547-1548
First 100 Persons with COVID-19 — Zambia, March 18–April 28, 2020
ザンビアはアフリカ南部の内陸にある低中所得国で、人口は約1,700万人である。2020年3月、Zambia National Public Health Instituteは、COVID-19疑い症例を、1)発症前14日間に海外渡航歴のある急性呼吸器疾患例、2)発症前14日間にCOVID-19確診例と接触歴のある急性呼吸器疾患例、3)入院を要する重症呼吸器疾患例、4)COVID-19確診例の家族または濃厚接触者、と定義した。ザンビアにおけるCOVID-19の初感染例はフランスを旅行した夫婦であり、海外渡航者の入国サーベイランスの後、14日間のリモートモニタリングにより2020年3月18日に疑い例として識別され、モニタリング期間中に呼吸器症状を発症した後にCOVID-19の検査(RT-PCR)を受けた。今回、2020年3月18日~4月28日、ザンビアで報告されたCOVID-19の最初の100例について述べる。この期間、計6,165回の検査が行われ、100人の陽性が確認された(陽性率1.6%)。100例のうち77%が首都ルサカにて確認され、男性が多く(61%)、年齢は30~44歳が32%を占めた。また、入国サーベイランスにて35%、接触者追跡にて30%が確認された。35例は検査前14日間に海外渡航し、65例は国内で感染、うち30例はCOVID-19患者と接触した非医療ケア従事者であった。徴候および症状は発熱、咳、咽頭痛、頭痛、倦怠感が多く、79%は検査時に無症状であった。発症(または無症状患者の検査日)から回復までの期間中央値は12日間であった。20%の症例に基礎疾患があり、HIV感染症(35%)および高血圧(35%)が最も多かった。死亡例は3例で全例に基礎疾患があり、うち2例は死亡前に救命救急治療または集中治療を受けた。以上、ザンビアでは最初のCOVID-19症例が確認されてから28日間で症例の65%が入国サーベイランスおよび接触者追跡にて特定され、COVID-19患者が入院し治療を受けた病院にて医療ケア従事者を含む無症状の人を対象とした検査により16名の医療ケア従事者と4名の入院患者にて感染が確認された。4月初旬にはCOVID-19感染例と明らかな疫学的関連性を認めない症例が確認され、検査対象が拡大されている。
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