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MMWR抄訳

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2020/09/18Vol. 69 / No. 37

MMWR69(37):1319-1323
Transmission Dynamics of COVID-19 Outbreaks Associated with Child Care Facilities — Salt Lake City, Utah, April–July 2020

保育施設に関連するCOVID-19アウトブレイクの感染ダイナミクス ― ソルトレイクシティ、ユタ州、2020年4月~7月

報告によると、10歳以上の小児では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因ウイルスであるSARS-CoV-2を素早く感染させる可能性がある。一方、幼児(特に保育環境における)からのSARS-CoV-2感染に関するデータは限られている。幼児からの感染をよりよく理解するために、2020年4月1日から7月10日にユタ州ソルトレイク郡の保育施設(施設A、B、C)の3つのCOVID-19アウトブレイクから収集された接触者追跡データをレトロスペクティブに評価し、発病率と感染パターンを調査した。成人74名(40%、年齢中央値30歳、19~78歳)と小児110名(60%、年齢中央値7歳、0.2~16歳)を含む合計184名が、アウトブレイクが発生した3つの施設のうち1つへ疫学的に関連していた。54%が女性、40%が男性であった。このうち31名がCOVID-19と確定診断され、成人18名(58%)、小児13名(42%)であった。施設の職員および入所児101名中、COVID-19と確定診断されたのは22例であり(大人10例、小児12例)、残り9例は施設職員または入所児との接触者であった。COVID-19と確定診断された施設関連の小児患者12例のうち9例が軽症、3例が無症状であった。全接触者83例中、施設以外の接触者は46例であり、12例(26%)への感染(確診7例、高度疑い5例)が確認された。施設Aでは4月2日に職員が発症し(患者A1、インデックス症例)、自主的に隔離した。その3日後に2人目の職員が発症し(患者A2)、両例ともにSARS-CoV-2の検査の結果、陽性であった。患者A1、A2の施設での接触者は10例、施設外の接触者は15例であり、初発感染者は患者A1の家族で、患者A1が発症する9日前に発症していた。施設Aでの施設発病率(初発例を除く)は17%(2/12例)、全体の発病率は7%(2/27例)であった。施設Bでは、インデックス症例の職員(患者B1)が発症前であったが、COVID-19例の家庭内接触者となったため、5月31日に検査を受け、SARS-CoV-2陽性結果となった。患者B1が最後に出勤したのが5月29日である、6月3日に軽症の症状が現れた。2番目の職員(患者B2)は6月8日に発症し、その後、生後8カ月および8歳の小児(患者B3およびB4)が軽症の徴候および症状(発熱、疲労、鼻水)が現れ、全員検査の結果、陽性であった。患者B4が発症した9日後に3例目の職員(患者B5)が発症し検査結果陽性であった。小児2例は接触者にSARS-CoV-2を感染させた可能性があり、確診例が2例(小児1例の両親)、高度疑い例が3例(成人2例と小児)であった。施設Bの施設発病率は100%(5/5例)、全体の発病率は36%(12/33例)であった。施設Cでは、インデックス症例は職員で、職員5例および小児10例が感染し、施設Cでの施設発病率は18%(15/84例)、全体の発病率は19%(24/124例)であった。詳細な接触追跡データは、保育環境から家庭での接触者への感染に小児が関与していることを示している。保育環境では症状の有無に関係なく、SARS-CoV-2検査を利用可能にし、結果をタイムリーに知り、COVID-19感染者の接触者を検査することは、感染防止に役立つ可能性がある。CDCの保育プログラムガイダンスでは、SARS-CoV-2感染を減少させるために、特に職員に対しフェイスマスクを使用することを推奨し、とりわけ、小児が幼すぎてマスクを着用できない場合は、手指衛生、よく接触する環境表面の頻繁な清掃および消毒、体調が悪いときは外出しないなどを推奨している。

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