ホームIMICライブラリMMWR抄訳2020年(Vol.69)COVID-19の低減および対応について系統的に観・・・
2020/08/28Vol. 69 / No. 34
MMWR69(34):1173-1176
Primary Indicators to Systematically Monitor COVID-19 Mitigation and Response — Kentucky, May 19–July 15, 2020
ケンタッキー州では2020年3月6日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の初発例が報告され、州の緊急事態を宣言した。その後の数週間、学校の一時的閉鎖、緊急でない医療処置の停止、長期療養施設の訪問制限などの低減策に取り組み、さらに3月22日には生活に必要不可欠ではない職場について一時的に閉鎖する行政令が出された。3月6日~5月8日の症例数は、5月4日の週にピークとなり1,446例が報告された。5月9日、ケンタッキー州は「Healthy at Work」プランにより段階的に再開し始めた。5月19日、Kentucky Department for Public Healthは再開の安全性を評価するため、州レベルのCOVID-19の状況に関する5つの指標[1)複合的症候サーベイランスデータ、2)COVID-19新規症例数、3)COVID-19関連死亡数、4)医療施設の受け入れ能力データ、5)接触者追跡の公衆衛生対応能力]を観察する報告システムを実行した。5つの各指標については3点評価法(3=良い、2=普通、1=悪い)にてスコアをつけ、毎日のCOVID-19複合状況は5点評価制で再開の提言について判断した[5=大変良い(再開/開業継続)、4=良い(要観察、再開/開業継続)、3=普通(注意、観察強化)、2=まずまず(緩和を増加)、1/0=悪い(リスクのある再開、再開遅延または閉業)]。5月19日~7月15日におけるCOVID-19症例は12,742例報告され[男性5,705例(44.8%)、年齢中央値41歳(0~107歳)]、COVID-19関連の死亡例は299例であった。この期間におけるCOVID-19状況の平均値は2.5(2~4)であり、複合状況は4が19日間(38.7%)、3が22日間(44.8%)、2が8日間であり、5、1/0と判断された日はなく、州の複合状況の5月19日~6月16日における平均値は3、6月17日~7月15日では2.5であった。また、5月19日~7月15日における各指標の平均スコアは、症候サーベイランスデータが2.0(1~3)、新規症例数が2.5(1~3)、関連死亡数が2.5(2~3)、医療施設能力が3.0(3)、接触者追跡能力が2.0(1~3)であった。2020年7月7日時点でのケンタッキー州におけるCOVID-19状況のスコアは3であり、症例調査により4つのクラスターの発生が特定されたが、地域への感染増加は示唆されず、接触者追跡も適切であり、州レベルでの公衆衛生対応の追加は必要としなかった。
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