ホームIMICライブラリMMWR抄訳2020年(Vol.69)COVID-19の検査で確定診断された人における外・・・
2020/07/03Vol. 69 / No. 26
MMWR69(26):847-849
Exposures Before Issuance of Stay-at-Home Orders Among Persons with Laboratory-Confirmed COVID-19 — Colorado, March 2020
2020年3月26日、コロラド州は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因ウイルスSARS-CoV-2の市中感染を減少させるため、外出禁止令を導入した。ここでは外出禁止令の発令前、3月9日~26日にコロラド州の9つの郡にてCOVID-19と確定診断された人を対象に、SARS-CoV-2曝露の可能性について調査した。Colorado Electronic Disease Surveillance Systemの症例基準に合致した1,738例から600例を無作為に抽出し、電話で人口学的特性、職業、発症前2週間の行動についてインタビュー調査した。同期間中にコロラド内でSARS-CoV-2分子検査を広く行った。無作為に抽出された600名のうち364名(61%)が調査に参加した。364名の年齢中央値は50歳(四分位範囲:34~66歳)、男性が187名(51%)、非ヒスパニック系白人が206名(57%)、ヒスパニック系が75(21%)であった。345名(95%)が医療保険に加入しており、128名(35%)が入院し、18名(5%)が死亡した。職業に関しては264名(73%)が回答し、職場は医療関係99名(38%)、専門職/事務46名(17%)、行政機関/軍隊18名(7%)、製造業(食肉包装を含む)15名(6%)などが多かった。接触に関しては、99名(27%)にてCOVID-19確定診断者との接触が明らかであり、家族が27名、職場同僚が25名、職場での接触は47名であった[医療従事者28名(60%)、行政機関/軍隊6名(13%)、製造業5名(11%)]。COVID-19確定診断者との接触が不明な265名(73%)では、30%が発熱または呼吸器症状のある人と接触していた。また、また発症前2週間以内に、10名以上の集会に参加したのは116名(44%)、国内旅行をしたのは76名(29%)、医療現場で勤務したのは75名(28%)、就労者ではないが医療現場を訪問したのは61名(23%)、公共交通機関を利用したのは57名(22%)であった。これらのことから、COVID-19のような症状を認める人は公共の場を避け、家庭内であっても可能な限り隔離される必要があることが明らかである。職場での感染が多いことから、CDCの感染予防およびコントロールの指針に従い、また、確定診断例または発熱や呼吸器症状のある人との接触がなかった人の約半数が感染していることから、その予防には手の衛生、ソーシャルディスタンスやフェイスカバーが有効である。
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