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MMWR抄訳

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2020/03/20Vol. 69 / No. 11

MMWR69(11):281-285
Global Epidemiology of Tuberculosis and Progress Toward Meeting Global Targets — Worldwide, 2018

結核の国際疫学と世界的な目標の達成に向けた進展 ― 全世界、2018年

全世界において結核(TB)は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の人も含めて、単一の感染性病原体による主要な死因である。WHOが主導するEnd Tuberculosis Strategyでは、2020年から2035年にかけて意欲的な目標を設定し、これには2015年と比較して、2020年までにTB罹患率の20%減少とTBによる死亡者絶対数の35%減少、2035年までにTB罹患率の90%減少とTBによる死亡の95%減少が含まれている。今回、これらの目標に対する世界的な進展を評価するため、194の加盟国からWHOに定期報告された年次TBデータを使用し、全体およびHIV感染者におけるTBの罹患率および死亡率、TB予防治療(TPT)の開始、2018年の薬剤耐性TBを推定した。2018年には、推定1,000万人がTBに罹患し(人口10万人あたり132人)、2017年から2%減少した。罹患率は2000年以降、毎年平均1.6%減少している。2018年には、世界中で700万人にTB陽性の結果が通知され、これはTB罹患患者の推定数の70%に相当し、2017年の640万人(64%)から増加している。2017年の64%と比較して、2018年では全TB罹患患者の69%が抗TB治療を受けた。TB関連の推定死亡数は、2017年の157万人から2018年の149万人へ5%減少した[致死率(CFR)=15%]。2018年では、HIV感染者の推定862,000人がTBに罹患し、全TB患者の8.6%を占めていた。このグループ内における推定年間TB罹患率は2000年で6%、2017年で2.5%、2018年で2.3%であった。2018年には、HIV感染者において推定251,000人のTBによる死亡が発生した(CFR=29%)。また、全体で推定484,000人がリファンピシンまたは多剤耐性のTBに罹患し、TB感染者全体の4.8%、TBと新規診断された人の3.4%、TB治療歴のある人の18%に相当した。2018年には、推定214,000人がリファンピシンまたは多剤耐性TBで死亡した(CFR=44%)。リファンピシン耐性TB患者のうち、78%が多剤耐性TBであると推定された。TBの罹患者数および有病者数ともに、依然としてWHOの南東アジアとアフリカ地域で最も多かった。2018年のTPT使用に関するデータは、HIV感染者に関しては65カ国、5歳未満の小児に関しては109カ国から報告された。2018年にはHIV感染者の180万人、5歳未満の小児の35万人がTPTを受け、2017年からそれぞれ88%、20%増加した。2035年の世界的な目標を達成するには、TBの罹患および死亡を減らし、TBの治癒的および予防的治療を受ける人数を増やすための公衆衛生上の連携機関による集中的な努力がさらに必要である。症例発見、TBの予防治療の拡大、新規TB治療レジメンの使用、HIVの予防およびコントロールに対する革新的なアプローチは、TBの減少に貢献すると考えられる。

References

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