一般財団法人 国際医学情報センター 信頼できる医学・薬学・医療情報を適切に提供することによって健康社会に貢献します。

一般財団法人 国際医学情報センター

IMICライブラリ IMIC Library

ホームIMICライブラリMMWR抄訳2020年(Vol.69)結核 ― アメリカ、2019年

MMWR抄訳

rss

2020/03/20Vol. 69 / No. 11

MMWR69(11):286-289
Tuberculosis — United States, 2019

結核 ― アメリカ、2019年

1989年以降、アメリカは結核(TB)根絶の目標を達成するため、症例の迅速な特定および治療と最近のTB感染に起因する二次感染症例を抑えるための感染者との接触者の評価する戦略を介してきた。この戦略は、アメリカのTB罹患率減少に非常に効果的であったが、平均年間減少率は2007年~2012年の6.7%に対して2012年~2017年では2.2%で、減少のペースは近年大幅に減速している。今回、全体および特定の集団でのTB罹患率を割り出すためにCDCのNational Tuberculosis Surveillance Systemに報告された2019年の暫定データを分析し、結果を前年度と比較した。2019年、アメリカでは合計8,920例の新規症例が暫定的に報告され、2018年から1.1%減少した。TB罹患率は、10万人あたり2.7人で、2018年から1.6%減少した。2019年における州ごとの10万人あたりのTB率は0.2人(ワイオミング州)~8.1人(アラスカ州)で、9州(アラスカ州、カリフォルニア州、ジョージア州、ハワイ州、メリーランド州、ニュージャージー州、ニューヨーク州、テキサス州、ワシントン州)およびワシントンDCでは、TB率が全国値よりも高かった。アメリカ生まれではない人のTB率は、アメリカ生まれの人の15.5倍であった。アメリカに居住するアメリカ生まれでない人の中で、2019年の10万人あたりのTB率はアジア人(25.7人)で最も高く、次いでハワイ先住民/太平洋諸島民(25.1人)、黒人/アフリカ系アメリカ人(19.5人)、ヒスパニック/ラテン系(10.2人)、アメリカインディアン/アラスカ先住民(5.3人)であり、白人(3.1人)で最も低かった。アメリカ生まれの人の中では、2019年の10万人あたりのTB率はハワイ先住民/太平洋諸島民(3.5人)で最も高く、次いでアメリカインディアン/アラスカ先住民(3.4人)、黒人/アフリカ系アメリカ人(2.5人)、ヒスパニック/ラテン系(1.6人)、アジア人(1.6人)であり、白人(0.4人)で最も低かった。アメリカのTBの症例数とTB率はこれまでに報告された中で最も低いが、減少のペースは依然として遅い。近年ではアメリカのTB症例の約80%が、過去にTB菌に感染し、潜在性TB感染症(LTBI)が再活性化することに起因しており、多くが国外での感染である。また、2019年に報告されたTB症例の87.3%でヒト免疫不全ウイルス(HIV)の有無について明らかであり、4.9%がHIVに重感染しており、25~44歳の人が7.8%を占めた。2018年の薬剤感受性検査データが明らかな6,746例のうち、102例(1.5%)が多剤耐性で、これらの症例の88例(86.3%)はアメリカ生まれではなく、83例(81.4%)は過去にTBエピソードがなかった。TBを根絶するためには、アメリカはTB感染予防を継続しながら、LTBIの検査および治療を拡大する必要がある。この戦略を成功させるために、民間を含む医療ケア従事者とのパートナーシップが必須である。

References

  • Dowdle WR. A strategic plan for the elimination of tuberculosis in the United States. MMWR Suppl 1989;38(No. SS-3).
  • CDC. Reported tuberculosis in the United States, 2018. Atlanta, GA: US Department of Health and Human Services, CDC; 2019. <https://www.cdc.gov/tb/statistics/reports/2018/default.htm>
  • Armstrong LR, Winston CA, Stewart B, Tsang CA, Langer AJ, Navin TR. Changes in tuberculosis epidemiology, United States, 1993–2017. Int J Tuberc Lung Dis 2019;23:797–804. <https://doi.org/10.5588/ijtld.18.0757>
  • Menzies NA, Cohen T, Hill AN, et al. Prospects for tuberculosis elimination in the United States: results of a transmission dynamic model. Am J Epidemiol 2018;187:2011–20. <https://doi.org/10.1093/aje/kwy094>
  • Cantwell MF, Snider DE Jr, Cauthen GM, Onorato IM. Epidemiology of tuberculosis in the United States, 1985 through 1992. JAMA 1994;272:535–9. <https://doi.org/10.1001/jama.1994.03520070055038>
  • CDC. Latent TB infection testing and treatment: summary of U.S. recommendations [Factsheet]. Atlanta, GA: US Department of Health and Human Services, CDC; 2019. <https://www.cdc.gov/tb/publications/ltbi/pdf/CDC-USPSTF-LTBI-Testing-Treatment-Recommendations-508.pdf>
  • Linas BP, Wong AY, Freedberg KA, Horsburgh CR Jr. Priorities for screening and treatment of latent tuberculosis infection in the United States. Am J Respir Crit Care Med 2011;184:590–601. <https://doi.org/10.1164/rccm.201101-0181OC>
  • Chou R, Dana T, Blazina I, Daeges M, Jeanne TL. Statins for prevention of cardiovascular disease in adults: evidence report and systematic review for the US Preventive Services Task Force. JAMA 2016;316:2008–24. <https://doi.org/10.1001/jama.2015.15629>
  • Alsdurf H, Hill PC, Matteelli A, Getahun H, Menzies D. The cascade of care in diagnosis and treatment of latent tuberculosis infection: a systematic review and meta-analysis. Lancet Infect Dis 2016;16:1269–78. <https://doi.org/10.1016/S1473-3099(16)30216-X>
  • Sterling TR, Njie G, Zenner D, et al. Guidelines for the treatment of latent tuberculosis infection: recommendations from the National Tuberculosis Controllers Association and CDC, 2020. MMWR Recomm Rep 2020;69(No. RR-1). <https://doi.org/10.15585/mmwr.rr6901a1>

このコンテンツに「いいね」する

ページトップへ

一般財団法人 国際医学情報センター

〒160-0016 
東京都新宿区信濃町35番地 信濃町煉瓦館
TEL:03-5361-7080 (総務課)

WEBからのお問い合わせ

財団や各種サービスについてのお問い合わせ、お見積もりのご依頼、
サービスへのお申し込みはこちらをご覧ください。

お問い合わせ