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MMWR抄訳

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2020/03/06Vol. 69 / No. 9

MMWR69(9):225-230
Deaths from Fall-Related Traumatic Brain Injury — United States, 2008–2017

転倒に関連した外傷性脳損傷による死亡 ― アメリカ、2008年~2017年

毎年、18歳以上のアメリカ居住者の10人に1人が転倒している。すべての年齢層において、転倒は重傷の原因となる可能性があり、2番目に多い外傷性脳損傷(TBI)関連死の原因である。TBIは、頭部または身体への衝突、強打、振動によって引き起こされる頭部外傷、または正常な脳機能の崩壊をもたらす穿通性頭部外傷である。CDCは、死亡者の特性により、2008年~2017年のアメリカ居住者における不慮の転倒によって生じたTBIに関連した死亡(転倒に関連したTBI死亡)の全国および州別の割合と傾向を推定した。2008年から2017年にかけて全国における年齢で調整した転倒に関連したTBI死亡率は、10万人あたり3.86人から4.52人へと17%増加し、2017年の転倒に関連したTBI死亡は17,408例であった。2017年の州別における年齢で調整した10万人あたりの転倒に関連したTBI死亡率は、2.25人(アラバマ州)から9.09人(サウスダコタ州)であった。研究のエンドポイント年(2008年と2017年)のみを考慮すると、51の管轄区域(50州およびワシントンDC)のうち49区域で転倒に関連したTBI死亡者数が増加し、対応する年齢で調整した死亡率は、これらの49の管轄区域のうち45区域で増加した。転倒に関連したTBIの死亡率の10年間の平均年間増減率 (AAPC)は、メイン州(6.5%)、サウスダコタ州(6.1%)、オクラホマ州(5.2%)で最も大きく、29州で有意に増加した。2017年の10万人あたりの転倒に関連したTBI死亡率は、75歳以上で最も高く55~74歳の約8倍(54.08人 vs. 6.24人)で、男性は女性の2倍近かった(6.31人 vs. 3.17人)。死亡者の特性別では、男女ともに、55歳以上の人、非ヒスパニック系白人、非ヒスパニック系黒人、ヒスパニック系、すべての地域にて、転倒に関連したTBI死亡率の有意な増加傾向が確認された。大きな増加を認めたのは、主要でない非都市郡に住む人(AAPC:2.9%)および75歳以上(AAPC:2.6%)であり、有意な減少を認めたのは0~17歳の人のみであった(AAPC:-4.3%)。転倒はどの年齢の人でも起こり得るが、予防は可能である。転倒に関連したTBI死亡率が上昇していることを考えると、医療従事者も一般人もエビデンスに基づいた転倒予防方法を認識する必要がある。医療従事者は、転倒とTBI予防について患者を教育し、転倒のリスクを評価し、必要に応じて、適切なエビデンスに基づいた転倒予防プログラムへの参加を促すことができる。

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