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MMWR抄訳

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2019/11/29Vol. 68 / No. 47

MMWR68(47):1089-1095
Status of HIV Case-Based Surveillance Implementation — 39 U.S. PEPFAR-Supported Countries, May–July 2019

HIV症例ベースサーベイランス実施の状況 ― アメリカのPEPFAR支援を受ける39カ国、2019年5~7月

2019年5~7月、アメリカのPresident’s Emergency Plan for AIDS Reliefが支援する46カ国を対象に、HIVの症例ベースサーベイランス(CBS)の実施状況について調査し、回答があった39カ国(85%)について報告する。結果、20カ国(51%)でCBSを実施しており、15カ国(38%)で実施が計画されており、4カ国(10%)では実施の計画はなく、1カ国(3%)は将来的な実施も未定であった。実施状況はアメリカ地区およびヨーロッパ地区で調査したそれぞれ11カ国、1カ国すべてにてCBSが実施されており、アジア地区では5カ国中3カ国(パプアニューギニア、タイ、ベトナム)でCBSが実施され、2カ国(カンボジア、ラオス)では実施が計画されていた。しかし、サハラ砂漠以南のアフリカ地区22カ国でCBSが実施されたのは5カ国のみであり(ボツワナ、エチオピア、ルワンダ、セネガル、ジンバブエ)、13カ国が実施を計画、3カ国には実施の計画がなく、1カ国は将来的な実施が未定であった。CBS実施した20カ国すべてにてHIV感染症の診断日、17カ国(85%)にてセンチネルイベントデータが収集されていたが、患者レベルでのデータのリンキングおよび重複を排除するために一意識別子を使用している国は10カ国のみであった。電子健康情報システムはCBSを実施する15カ国(75%)にて使用されていた。また、CBS実施国のうち18カ国に電子ベースのセキュリティ対策について質問したところ、すべての国でデータ送信に対し1つまたは複数の対策を行っており、20カ国中19カ国ではデータ保存に対する対策が行われていた。CBSの実施を計画している15カ国のうち、13カ国にて診断日のデータ収集、11カ国でセンチネルイベントデータの収集が予定されており、一意識別子の使用は4カ国にて予定されていた。データ送信に関するセキュリティ対策は14カ国中14カ国、データ保存に関する対策は15カ国中14カ国にて予定されていた。CBS実施の障壁として、CBS実施国20カ国中6カ国、実施を計画している15カ国中6カ国、計画していない4カ国すべてがHIVハイリスク集団に対する非難および犯罪化、実施を計画している15カ国中10カ国はCBSに対する国の政策/ガイドラインがないことを報告した。CBS実施予定のない国では資金および専任の人材の不足を挙げていた。今後は、包括的なHIVのCBSを実施するために技術的なインフラの政策的バリアや技術的ギャップへの対応を強化する必要があると思われる。

References

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