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MMWR抄訳

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2019/11/01Vol. 68 / No. 43

MMWR68(43):974-978
Tobacco Use in Top-Grossing Movies — United States, 2010–2018

興行収入上位の映画におけるたばこの使用 ― アメリカ、2010年~2018年

Breathe California Sacramento RegionおよびUniversity of California San Francisco’s Onscreen Tobacco Databaseの2010年~2018年データから、興行収入上位の映画作品において、たばこ製品(紙巻たばこ、葉巻、パイプ、水たばこ、無煙たばこ、電子たばこなど)の投影について分析した。対象は1週以上、興行収入がランキング10位以内に入った映画とし、鑑賞規制の年齢区分ごとに比較した(G指定:全年齢向け、PG指定:子供に適さない内容を含む可能性があるため鑑賞には保護者の助言や指導を勧める、PG-13指定:13歳未満には不適当な内容のため鑑賞には保護者の注意が必要、R指定:17歳未満の鑑賞には保護者の同伴が必要)。2018年は139作品中64作品(46%)にてたばこが投影され、2010年(137作品中62作品、 45%)とほぼ同率であり、2010年から2018年にかけて2013年がたばこの投影がもっとも多く(76作品)、2014年がもっとも少なかった(58作品)。R指定の映画では、2010年が49作品中35作品(71%)であったのに対し2018年は55作品中38作品(69%)であり、子供も鑑賞する(G指定/GP指定/GP-13指定)映画では2010年が88作品中27作品(31%)であったのに対し2018年は84作品中26作品(31%)であった。作品中でたばこが投影された回数の合計は2010年が1,824回、2018年が2,868回と57%増加し、2015年が1,743回ともっとも少なく、2016年が3,163回ともっとも多かった。GおよびGP指定の映画ではたばこが投影された回数は2010年の30回から、2018年には17回と減少したが、PG-13指定映画では2010年の564回から2018年には1,241回と120%増加し、R指定映画でも2010年の1,230回から2018年には1,610回と31%増加した。また、映画配給会社別ではディズニー系が10回から0回、バイアコム系が115回から0回、ソニー系が198回から86回へ減少し、コムキャスト系が19回から573回(2900%増)、タイムワーナー系が4回から29回(600%増)、フォックス系が96回から327回(200%増)、独立系映画配給会社が152回から243回(60%増)に増加した。また、映画の種類別[フィクション:1,110作品(90%)、伝記ドラマ:114作品(9%)、ドキュメンタリー:15作品(1%)]では、たばこが投影された作品の83%がフィクション映画であり、伝記ドラマが16%、ドキュメンタリーが1%であった。PG-13指定のフィクション映画では2010年の20作品から2018年の12作品と40%減少したが、PG-13指定の伝記ドラマ映画では3作品から10作品へ233%増加した。2018年、PG-13指定の映画でたばこが投影された回数は計1,241回であり、うち1,019回(82%)は伝記ドラマであった。また、2010年から2018年にかけて伝記ドラマでたばこを使用したのは架空のキャラクターがもっとも多く、G指定/PG指定映画では60%(3/5人)、PG-13映画では70%(213/306人)、R指定映画では78%(355/455人)を占めていた。2018年に伝記ドラマでたばこを使用していたうち73%が(82/112人)が架空のキャラクターであった。以上、映画作品中でたばこを使用する映像は若者が喫煙を開始するきっかけになるため、引き続き減少させることが重要である。

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