ホームIMICライブラリMMWR抄訳2019年(Vol.68)電子たばこ製品の使用に関連する重症肺疾患 ― 暫定・・・
2019/09/13Vol. 68 / No. 36
MMWR68(36):787-790
Severe Pulmonary Disease Associated with Electronic-Cigarette–Product Use — Interim Guidance
2019年8月27日の時点で、電子たばこ製品(機器、液体、詰め替え用ポッド、カートリッジなど)の使用による重症肺疾患の可能性がある215例が、25の州保健局からCDCに報告された。今回、入手可能な情報を要約し、重症肺疾患の暫定的な症例定義と可能性例を報告するためのガイダンスを提供する。特定された症例のほとんどは低酸素血症で入院しており、一部の症例では、急性または亜急性の呼吸不全に進行し、酸素補給から気管内挿管および人工呼吸器に至る呼吸補助療法を要した。全例に電子たばこ製品の使用歴があり、感染性病因の一貫したエビデンスは発見されていないため、化学物質への曝露が原因として疑われている。全例で電子たばこ製品、物質、添加物は一致しておらず、肺疾患に決定的に関連する製品または物質は特定できなかった。ノースカロライナ州の5例を治療した医療従事者は、電子たばこの使用歴、臨床所見、画像検査、臨床検査、気管支鏡検査に基づいて、全例を急性外因性リポイド肺炎と診断した。特に、オイルレッドOで染色された3つの患者の気管支肺胞洗浄検体から、肺胞マクロファージ内の脂質を特定した。全例がマリファナオイルまたは濃縮物を電子たばこで使用しており、3例はニコチン入りも使用していた。CDCは州に技術支援を提供し、2019年8月16日にClinician Outreach and Communication Activityネットワークを通じてClinical Actionアラートを発布し、州からのデータ収集を開始した。8月30日に、CDCはHealth Advisoryとして州および治療した医師から得られた予備情報に基づいた推奨事項を医師、公衆衛生当局、国民に対し公開した。また、Webサイト(https://www.cdc.gov/tobacco/basic_information/e-cigarettes/severe-lung-disease.html)を開設し、この公衆衛生上の緊急時の対応について最新情報を広め、医師および衛生当局担当者が連絡に使用するための専用電子メールアドレス(VapingAssocIllness@cdc.gov)を作成した。医師には、電子たばこ製品の使用歴のある肺疾患患者に対する幅広い鑑別診断の中から可能性のある1つの病因として、電子たばこ関連肺疾患も考慮することを勧められる。この調査は進行中であり、報告された疾患の決定的な原因は不明のままであるが、電子たばこ製品を使用しないことを検討するべきである。電子たばこ製品を使用する人は、咳、息切れ、胸痛、吐き気、嘔吐、他の症状などの症状がないかを確認し、健康上の懸念がある場合は医師の診察を受ける必要がある。電子たばこ製品は、青少年、若年成人、妊婦、または現在たばこ製品を使用していない成人が使用するべきではない。禁煙を試みる成人喫煙者は、カウンセリングやFDA承認薬を含むエビデンスに基づいた禁煙治療を使用する必要があり、電子たばこを含むたばこ製品をやめるための手助けが必要な人は、医療従事者に連絡すべきである。
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