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MMWR抄訳

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2018/11/30Vol. 67 / No. 47

MMWR67(47):1310-1313
Multistate Infestation with the Exotic Disease–Vector Tick Haemaphysalis longicornis — United States, August 2017–September 2018

複数の州における媒介ダニのフタトゲチマダニによる外来病の感染 ― アメリカ、2017年8月~2018年9月

フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)は東アジア固有のダニで、ヒトおよび動物の病原体の重要なベクターであり、ヒトの出血熱および乳牛の生産量の減少をもたらす。 フタトゲチマダニは、2017年8月にニュージャージー州のヒツジで発見され、これはアメリカの検疫外で初めて検出されたものであった。2017年8月から2018年9月の動物およびべクターのサーベイランスの結果、フタトゲチマダニが53件報告され、動物種からが38件(72%)[家畜23件(61%)、野生生物13件(34%)、ヒト2件(5%)]、草やその他の植生の環境試料採取からが15件(28%)であった。アーカンソー州の1件の報告を除き、東部の8州でダニ陽性が確認された[ニュージャージー州16件(30%)、バージニア州15件(28%)、ウェストバージニア州11件(21%)、ニューヨーク州3件(6%)、ノースカロライナ州3件(6%)、ペンシルバニア州2件(4%)、コネチカット州1件(2%)、メリーランド州1件(2%)]。 9つの州の546の郡または郡と同等の地域の中で、ダニは45(8%)の郡(アメリカの3,109の郡および郡と同等の地域の1.4%)から報告された。 flagging法、dragging法、二酸化炭素トラップ法を使用した環境サンプルで陽性であった15件の報告を除き、残りの38件の報告は、寄生された宿主種からのダニの収集を反映している。サーベイランスの取り組みには、病原体に対するダニまたは宿主の検査は含まれなかった。 ヒトまたは他の種における疾患例は報告されていない。保管されている歴史的サンプルを並行して再調査した結果、侵襲は数年前に起こったことが示された。 特に重要なのは、2010年にウェストバージニア州のシカおよび2013年にニュージャージー州のイヌから採取したダニが、フタトゲチマダニとレトロスペクティブに同定されたことである。アメリカにおけるフタトゲチマダニの存在は、新たに出現する疾患の脅威を意味している。 ダニの生物学および生態学の特徴づけが必要であり、サーベイランス活動には、潜在的な土着および外来の病原体の検査が含まれるべきである。

References

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