ホームIMICライブラリMMWR抄訳2018年(Vol.67)麻疹・風疹ワクチン追加接種活動の予備評価 ― イン・・・
2018/07/06Vol. 67 / No. 26
MMWR67(26):742-746
Measles-Rubella Supplementary Immunization Activity Readiness Assessment — India, 2017–2018
2013年、第66回WHO南東アジア地区(SEAR)の議会にて麻疹の根絶、風疹および先天性風疹症候群のコントロールが2020年までの目標として採択された。この目標に向け、インドでは全国的な麻疹・風疹ワクチンの追加接種活動(SIA)が2017年より生後9カ月齢~14歳の小児約4億1,000万人を対象に始められ、2019年第1四半期に終了予定である。このSIAの高い質を保証するため、計画および準備がWHOの世界的フィールドガイドに合わせた状況評価法を利用してモニターされ、アンドラ・プラデシュ州、ケララ州およびテランガーナ州の24地区における評価の結果がまとめられた。各地区にて1回目の評価はSIAの4~6週間前、2回目は1~2週間前に行われ、1回目の評価ではすべての州および地区にてSIAの準備は順調に進められておらず、2回目の評価では3州のうち2州(67%、ケララ州およびテランガーナ州)にて順調であり、アンドラ・プラデシュ州では準備が遅れ、開始までにさらに1週間が必要であった。また、19/24地区(79%)では情報、教育、コミュニケーション(ICE)の準備が順調に進み、4地区(17%)では修正措置が必要であり、1地区(4%)では準備が行われず開始が遅れた。SIAの期間、対象となった小児143,894名のうち9,912名(6.9%)には接種が行われなかった[アンドラ・プラデシュ州:7%(3,314名/44,906名)、ケララ州:10%(1,943名/19,408名)、テランガーナ州:6%(4,659名/79,580名)]。ワクチンが接種されなかった理由として、子供の体調不良(3,715名:37%)、キャンペーンを知らなかった(1,566名:16%)などが挙げられた。ケララ州では未接種小児の約1/4が接種を拒否していた。また、209名(2%)はSIA実施に関する不備(接種会場の機能不全、接種者不在、ワクチン不足、その他の運搬上の問題)によるものであった。SIA接種率は2州および17地区にて95%を超えたと報告されている。SEARでは2019年までにSIAを介して5億人超の小児に対し麻疹・風疹ワクチンを接種させることを目標としており、今回のインドにおけるSIAの準備に関する評価はSIAの質を改善するため参考となるものと思われる。
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