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MMWR抄訳

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2018/04/06Vol. 67 / No. 13

MMWR67(13):387-389
Phosphine Exposure Among Emergency Responders — Amarillo, Texas, January 2017

救急隊員のホスフィン曝露 ― アマリロ、テキサス州、2017年1月

ホスフィンは、農業環境で通常使用される使用制限農薬であるリン化アルミニウムが水と反応すると形成される非常に有毒なガスで、急性暴露は、広範な呼吸器系、心血管系、胃腸系の症状を引き起こす可能性があり、死亡することもある。2017年1月2日午前5時ごろ、救急隊員は、居住者の息切れ、意識喪失、その他の症状を報告する緊急電話を受け、戸建て住宅へ派遣された。 これらの健康への影響は当初、一酸化炭素曝露が原因と考えられたが、空気モニタリングでは一酸化炭素を検出しなかった。救急隊員は、緊急電話の数日前に戸外でリン酸アルミニウムを含む使用制限農薬が使用されていることを発見し、最初は大気湿度と、その後、2017年1月1日に農薬を洗い流そうとした時に農薬は水と反応し、ホスフィンが放出されたことが判明した。有害物質が疑われたため、アマリロ市は消防署員からなる危険物(HAZMAT)チームを派遣し、家の周辺の安全を確保した。 内部にいた人は、救急医療を受け、近くの病院へ搬送された。 現場で発見された家畜は、ドライブラッシングで汚染除去され、地元の動物福祉施設に運ばれた。 地元の保健当局は、医療機関に情報提供するために健康に関する警告を公表した。その後、アマリロ市はテキサス州保健局(DSHS)に本事件に関する毒物学的相談を依頼した。 DSHSは、イベントに関連するTexas Poison Control Networkの通話記録を点検し、曝露した可能性のある救急隊員にインタビューするために、Toxic Substances and Disease RegistryのChemical Exposuresの評価ツールキットに基づいて標準化された健康アンケートを作成した。火災、警察、動物福祉、救急医療サービス要員を含む現場に対応した51名(100%)が回答し、年齢中央値は31歳(20~54歳)、現在の仕事の期間の中央値は5年(2~30年)であった。 40名(78.4%)は、対応作業中に呼吸保護器を使用しなかった。これらの40例の対応者のうち15例(37.5%)は、事故後、症状の治療または予防のための治療を受け、7名(17.5%)は、24時間以内にホスフィン曝露と一致する新たな症状または悪化症状を報告した。緊急時対応機関は、未知の有害物質が疑われるすべての事故に適切な個人用保護具(PPE)の使用を確実にしなければならない。この種の事故の際に救急隊員のPPE使用を増加させるには、さらなる評価が必要である。

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