ホームIMICライブラリMMWR抄訳2010年(Vol.59)軍隊での天然痘ワクチン接種者との性的接触後のワクシ・・・
2010/07/02Vol. 59 / No. 25
MMWR59(25):773-775
Vaccinia Virus Infection After Sexual Contact with a Military Smallpox Vaccinee - Washington, 2010
2010年3月1日、Public Health Seattle & King County(PHSKC)からWashington State Department of Health(WADOH)へ、天然痘ワクチンの接種を受けた軍人との性的接触によりワクシニアウイルスに感染した疑いのある症例が報告された。この症例は2月26日、2日間続く痛みを伴う膣の環状隆起のため救急クリニックを受診、検査の結果、右大陰唇に中心部が潰瘍を形成した単発性隆起性環状病変が確認され、淋病、クラミジアおよびヘルペスウイルスの培養検査とバラシクロビル、アジスロマイシン、セファゾリン、セフトリアキソンの投与が行われた。3日後 (3月1日)、病変部の痛みが増悪したため、他院を受診。この時、膣および外陰部に新たな痛みと右鼠径部リンパ節の腫大と痛みを訴えたため、診察した医師がワクシニアウイルス感染の検査を行った。翌日、感染症の専門家によりワクシニアウイルス感染症と診断され、Washington State Public Health Laboratory(WAPHL)に検体が送付され、翌3日、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(PCR法)にてワクシニアウイルス陽性となり、CDC にて感染が確認された。3月1日の時点でPHSKCはこの症例をWADOHに報告し、調査を開始した。症例の男友達は軍にて2月15日に天然痘ワクチンの接種を受け、20日に症例と性的接触をもち、24日に症例に病変が出現した。症例は3名とハウスシェアしており、うち1名が2001年に腎移植を受け、免疫抑制剤の投与を受けていた。男友達はすでに海外へ派兵されていたため、Military Vaccine Agencyへ報告するとともに母親とルームメイトへの問診が行われたが、濃厚接触者はなく、現時点では他に発症例は認めていない。
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