ホームIMICライブラリMMWR抄訳2010年(Vol.59)西ナイルウイルス活性-アメリカ、2009年
2010/07/02Vol. 59 / No. 25
MMWR59(25):769-772
West Nile Virus Activity - United States, 2009
西ナイルウイルス(WNV)は西半球では1999年にニューヨーク市で初めて認められ、アメリカ全土にて発熱性疾患および神経性疾患の季節性流行を引き起こし、現在ではアルボウイルス性脳炎の第1起因菌となっている。ここでは2009年のアメリカにおけるWNV活性について報告する。2009年、WNV疾患は38州262郡およびワシントンDCより720例報告され、うち386例(54%)は神経侵襲性疾患、334例(46%)は非神経侵襲性疾患であった。また、推定ウイルス血症供血者(PVD)は116例であり、うち92例(79%)は無症候性、23例(20%)は非神経侵襲性疾患、1例(1%)は神経侵襲性疾患を発症した。WNV神経侵襲性疾患の発症率は10万人あたり0.13例、州別ではミシシッピ州(1.05例/10万)、サウスダコタ州(0.74例)、ワイオミング州(0.73例)、コロラド州(0.72 例)、ネブラスカ州(0.61例)にて高く、症例数はテキサス州(93例)、カリフォルニア州(67例)にて多かった。発症のピークは8月中旬であり、 352例(91%)が7~9月に発症していた。男性(226例、59%)および高齢者[中央値:60(2~91)歳]での発症が多く、入院例は368例 (95%)、32例(8.3%)が死亡した。疾患分類は脳炎:229例(59%)、髄膜炎:117例(30%)、急性弛緩性麻痺:40例(10%、うち 27例は併発例)であった。動物での感染は298件報告され、種類別ではウマ:275頭(92%)、リス:13匹、イヌ匹:8、ラクダ:1頭、シカ:1頭であった。WNVに感染して死亡した鳥は25州141郡およびDCより759羽報告され、1999年以降、計328の鳥の類類で報告があり、2009年にはニシノドグロアメリカムシクイおよびサンショクハゴロモガラスでの感染が新たに発見された。また、WNV陽性蚊プールは40州351郡およびDCより 6,646例報告され、うち4,987例(75%)はWNVの主なベクターであるアカイエカ、ネッタイイエカなどのCulex属であり、ピークは8月中旬であった。
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