ホームIMICライブラリMMWR抄訳2009年(Vol.58)学校における豚インフルエンザA(H1N1)ウイルス・・・
2009/05/08Vol. 58 / No. 17
MMWR58(17):470-472
Swine-Origin Influenza A (H1N1) Virus Infections in a School - New York City, April 2009
2009 年4月24日、CDCはテキサスおよびカリフォルニア州にてS-OIV感染例8例を確認し、そのウイルスがメキシコの患者から分離されたウイルスと遺伝学的に類似することが確認された。その後、アメリカでは症例数が増加しており、28日の時点でS-OIV感染例の約半数をNYCにある高校の生徒と教員が占めている。NYC Department of Health and Mental Hygiene(DOHMH)に23日、NYCのある高校(A高校)にて約100名の生徒が軽い呼吸器疾患を訴えたことが報告された。この高校の生徒数は 2,686名、職員数は288名である。23~24日には222名の生徒が学校の保健室を訪れ、学校を休んだ。DOHMHは職員を派遣し、症状が出ている生徒の鼻咽頭検体を採取、26日にCDCにより7検体にてS-OIVが確認され、26~28日にさらに37検体、計44名(生徒:43、教師:1、 14~21歳、女性:31、非ラテン系白人:30)が確認例となったが、メキシコ、テキサス、カリフォルニアへ旅行した症例はなかった。発症は4月 20~24日、症状は咳(43例、98%)、発熱(42例、96%)、疲労感(39例、89%)、頭痛/喉の痛み/鼻水(それぞれ36例、82%)、悪寒 /筋肉痛(35例、80%)などであり、また、悪心(24例、55%)、腹痛(22例、50%)、下痢/息切れ(21例、48%)、関節痛(20例、 46%)などが認められた。27日の問診の時点で、37例(84%)にて症状が安定または改善し、3例(7%)が悪化、4例(9%)が完治していた。 DOHMHは生徒、職員、家族に対するサーベイランスをオンラインにて継続して行うとともに、NYCに在住する人々を対象に発熱性呼吸器ILIによる入院サーベイランスを開始している。また、発熱、原因不明の肺炎や呼吸困難を訴える患者に関する情報提供を依頼したり、発熱を伴うILI患者の救急外来受診、オセタミビルや他のインフルエンザ薬の売り上げ、学校の欠席などの調査も行っている。
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