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MMWR抄訳

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2007/10/12Vol. 56 / No. 40

MMWR56(40):1050-1052
Deaths from Intravenous Colchicine Resulting from a Compounding Pharmacy Error - Oregon and Washington, 2007

調剤薬局のミスによって起こったコルヒチン静注による死-オレゴンおよびワシントン、2007年

静注用コルヒチンは1950年代に米国で利用可能となり、FDAは承認していないが急性痛風症候群の治療に容認されている。さらに家族性地中海熱、心膜炎、原発性胆汁性肝硬変などへの使用が検討されており、最近では代替医療従事者が慢性背痛に対する有効性を主張している。コルヒチンの標準使用量は痛風エピソード1回あたり2~4mgの単回静注であり、その投与量を超えた場合には致死的毒性が発現することが知られている。2007年3月、オレゴン州の代替医療クリニックで慢性背痛に対しコルヒチン静注を受けた2例が静注後に死亡した。この報告では、これら死亡事例の調査結果を紹介する。1例はワシントン州に住む77歳女性で、背痛の治療にコルヒチン2mg(バイアル表示濃度0.5mg/mLの薬剤を4mL)の隔日静注を受けていた。3回目の投与後、悪心、嘔吐、しびれ感などが発現したため、3月19日に救急診療部(ED)を受診した。その後、状態は悪化し、急性腎不全、白血球増加、肝機能異常、横紋筋融解症、心筋毒性などを呈し、同日死亡した。剖検時の血漿中コルヒチン濃度は44ng/mL(標準治療時濃度<5ng/mL)であった。他の1例はオレゴン州に住む56歳女性で、前例と同じクリニックで背痛の治療にコルヒチン2mgの週1回静注を受けていた。6回目の静注後1時間以内に悪心、嘔吐、胸痛などが発現したため、3月30日にEDを受診した。それから72時間に白血球減少、血小板減少、腎不全、横紋筋融解症、肝機能異常、心筋毒性などが発現し、入院3日目に死亡した。剖検時の血中コルヒチン濃度は32ng/mLであった。その後、同クリニックの診療記録をレビューしたところ、3月30日にコルヒチン静注を受けた55歳男性が投与から24時間以内に死亡していることが確認された。同クリニックより押収したコルヒチンバイアルの毒性検査において、死亡患者の治療に使用されたのと同じロットのバイアル中コルヒチン濃度が4mg/mL(バイアル表示濃度0.5mg/mL)であることが明らかになった。同クリニックはテキサス州のある調剤薬局から薬剤を購入しており、この調剤薬局の調剤ミスがコルヒチン毒性による死亡の原因であることが判明した。これらの死亡例は、背痛に対するコルヒチン静注のリスクと調剤薬局のミスによる死亡の可能性を強調する。

References

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