ホームIMICライブラリMMWR抄訳2007年(Vol.56)ラテンアメリカ系人におけるHIV/AIDS-米国、・・・
2007/10/12Vol. 56 / No. 40
MMWR56(40):1052-1057
HIV/AIDS Among Hispanics - United States, 2001-2005
米国においてラテンアメリカ系人はHIV/AIDS有病率が高い。米国におけるラテンアメリカ系人のHIV/AIDSの特徴を分析するため、CDCは米国33州において、2001~2005年にHIV感染症と診断されたラテンアメリカ系の成人および13歳以上の青少年と、2005年に50州およびワシントンDCに居住しているラテンアメリカ系HIV/AIDS患者の特徴を調査した。2001~2005年に33州よりCDCに報告された成人・青少年のHIV/AIDS診断例は184,167例であった。このうち、33,398例(18%)がラテンアメリカ系、93,017例(51%)が非ラテンアメリカ系黒人、54,029例(29%)が非ラテンアメリカ系白人であり、アジア/太平洋諸島系は1%、アメリカンインディアン/アラスカ原住民は1%未満であった。HIV感染様式はラテンアメリカ系男性の61%が同性間性行為、17%がハイリスク異性間性行為、17%が注射薬使用(IDU)、ラテンアメリカ系女性の76%がハイリスク異性間性行為、23%がIDUであった。2005年のHIV/AIDS年間診断率(10万人あたり)はラテンアメリカ系男性が56.2、同女性が15.8、非ラテンアメリカ系白人男性が18.2、同女性が3.0、非ラテンアメリカ系黒人男性が124.8、同女性が60.2であった。年齢別のHIV診断率はラテンアメリカ系男性では30~39歳群(86.3)、ラテンアメリカ系女性では40~49歳群(25.0)が最も高かった。ラテンアメリカ系人のHIV感染様式は出生地によって異なり、南アメリカ・キューバ・メキシコ出生者は同性間性行為による感染率が米国出生者より高く(それぞれ65、62、54、46%)、ドミニカ共和国・中央アメリカ出生者はハイリスク異性間性行為による感染率が米国出生者より高く(それぞれ47、45、28%)、プエルトリコ出生者はIDUによる感染率が米国出生者より高かった(それぞれ33、22%)。2005年の33州におけるラテンアメリカ系人のHIV感染症罹患生存者の割合(10万人あたり)は173.0であり、推定HIV有病率は34.3(ワイオミング州)~443.0(ニューヨーク州)であった。また50州およびワシントンDCにおけるラテンアメリカ系人のAIDS生存者の割合(10万人あたり)は244.2であり、推定AIDS有病率は28.7(モンタナ州)~1,165.8(ワシントンDC)であった。ラテンアメリカ系人のHIV感染様式は出生地により異なるため、全てのHIV予防戦略がラテンアメリカ系人に等しく有効であるわけではないことが明らかになった。したがってHIV教育活動はラテンアメリカ系サブグループの文化や行動の差異を考慮する必要がある。
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