ホームIMICライブラリMMWR抄訳2006年(Vol.55)最新情報:汚染ヘパリンフラッシュ曝露後における遅発・・・
2006/09/08Vol. 55 / No. 35
MMWR55(35): 961-963
Update: Delayed Onset Pseudomonas fluorescensBloodstream Infections After Exposure to Contaminated Heparin Flush - Michigan and South Dakota, 2005-2006
2005年3月、CDCは、ヘパリン含有静脈カテーテルフラッシュ用充填済みの注射シリンジ使用による蛍光菌血流感染が、多くの州で発症したことを報告した。へパリンフラッシュは、IV Flush社(テキサス州ローレット)で準備中に汚染された。4州における36名の患者が汚染フラッシュに曝露され、その後2004年12月から2005年2月に蛍光菌血流感染を発症したことが確認された。食品医薬品局(FDA)の要請により、IV Flush社は1月末に充填済み注射シリンジを自主回収した。2005年1月31日および2月4日、FDAは消費者と医療機関の充填済み注射シリンジの使用中止と、IV Flush社あるいは販売業者(Pinnacle Medical Supply、テキサス州ローレット)への返却を全国に勧告した。製品回収3ヵ月後、ミシガン州とサウスダコタ州の患者が、蛍光菌血流感染と確認された。2006年4月時点で、ミシガン州の合計15名とサウスダコタ州の合計13名の患者に遅発性発症の蛍光菌血流感染が認められ、発症日は汚染フラッシュを最後に潜在的に曝露された後84日から421日の範囲であった。全患者は留置中心静脈カテーテルを付けており、汚染フラッシュを使用した診療所で2005年10月から2006年2月の間に治療を受けた。この報告は、過去の汚染フラッシュ曝露による遅発性発症の蛍光菌血流感染と判定された症例調査について述べると共に、同様の曝露患者における遅発性発症の蛍光菌血流感染に関する現行調査に提言している。2005年10月、Michigan Department of Community Health(MDCH)は、病院の感染対策医より、51歳の乳癌女性に発症した蛍光菌血流感染症例の通知を受けた。患者は埋め込み式静脈ポート(留置中心静脈カテーテル型)を通して化学療法を受けており、ミシガン州で唯一IV Flush社製品を使用した診療所で治療を受けた。患者の血流感染は、汚染フラッシュによる最後の潜在的曝露から233日後に確認された。これは関連しているフラッシュを使用したサウスダコタ州唯一の診療所における遅発性発症の蛍光菌血流感染の追加症例であった。ミシガン州とサウスダコタ州の合計28症例は、症例の定義と合致した症状であり、診断日は2005年4月29日から2006年3月10日の範囲であった。年齢中央値は58歳(範囲:24~79歳)、20名(71%)は女性であり、全員が癌患者で埋め込み式静脈ポートを持つ外来患者であった。28名の患者のうち27名(96%)は、汚染されていないフラッシュの後も8時間以内に悪寒を体験した。他の徴候、症状として、発熱は14名(50%)、嘔気あるいは嘔吐が10名(36%)に見られた。22名(79%)は経口抗生物質で治療された。28名の全患者のポート(カテーテル)は外科的に除去され、死亡は報告されなかった。
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