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MMWR抄訳

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2006/01/27Vol. 55 / No. 3

MMWR55(3):68-71
Rates of Cesarean Delivery Among Puerto Rican Women - Puerto Rico and the U.S. Mainland, 1992-2002

プエルトリコ人女性における帝王切開による出産率-プエルトリコおよびアメリカ本土、1992~2002年

2002年における帝王切開による出産率は、アメリカ本土(50州およびワシントンD.C.、出産数:約400万)では全出産の26%、18%は出産が初めてで、アメリカ本土に住むプエルトリコ人女性についてもほぼ同様の数字であった。それに対し、プエルトリコ(出産数:52,747)ではそれぞれ45%、33%と高く、1996-2000年における帝王切開後経膣分娩(VBAC)率もプエルトリコにて低かった。CDCとPuerto Rico Department of HealthはNational Vital Statistics System(NVSS)の1992-2002年データから、プエルトリコ人のアメリカ本土とプエルトリコにおける帝王切開率の変化について分析した。2002年、プエルトリコにおける出生数は50,553であり、帝王切開率は1992年:31.2%から2002年:45.0%に増加していた。初産での帝王切開率は1992年:21.3%、1996年:22.1%、2002年:33.5%と1996年以降急増しており、VBAC率は1992-1996年にかけて8.1%を維持したが、2002年にまでに56%低下し、3.6%となった。また、プエルトリコ人における2002年のアメリカ本土での出生数は56,321であり、帝王切開率は1992年:21.9%、1996年:20.8%、2002年:26.2%、初産では1992年:15.2%、1996年:14.6%、2002年:18.1%、VBAC率は1992年:25.0%、1996年:31.2%、2002年:15.2%であった。年齢別ではプエルトリコにおける帝王切開分娩は20歳未満が1992年:18.5%から2002年:37.6%と倍増し、アメリカ本土では35-39歳が33.2%から40.9%へと最も増加していたが、2002年ではいずれも40歳以上が63.9%、44.6%と最も多かった。出産児数では、プエルトリコでは第3子以降の出産における帝王切開率が1992年:24.2%から2002年:39.2%と62%増加、本土では第2子において1992年:22.0%から2002年:27.2%と47.4%の増加であった。初産において、帝王切開リスクの低い女性はプエルトリコにて16,462名(82%)、アメリカ本土にて14,309名(83%)であり、このうち帝王切開を受けたのはプエルトリコにて1992年:32.3%、2002年:44.8%と39%増加、本土では1992年:20.3%から2002年:22.6%と11%の増加であった。プエルトリコ人における帝王切開率が高い要因は、妊婦の特徴や帝王切開に対する認識の相違、分娩法、医療保険適用範囲などが考えられるが明確ではなく、今後さらに詳細な分析が必要であろう。

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