ホームIMICライブラリMMWR抄訳2005年(Vol.54)リゾート地におけるマラリア感染-ドミニカ共和国、2・・・
2005/01/07Vol. 53 / No. 51& 52
MMWR53(51&2):1195-1198
Transmission of Malaria in Resort Areas - Dominican Republic, 2004
マラリアは4種のPlasmodium原虫による感染症であり、多くはハマダラカが媒介し、感染した雌のハマダラカに刺されて伝染する。ドミニカ共和国の地方部では熱帯熱マラリア原虫が確認されており、西部地域では感染のリスクが高いため、国外からの旅行者にはchloroquineの予防接種が勧告されているが、都市部やリゾート地域は非マラリア感染域とされ、旅行者への予防接種は勧告されていない。今回、2004年11月、ドミニカ共和国のLa Altagracia(最東部)およびDuarte省から帰国したアメリカ人3名のマラリア感染がCDCに報告され、さらにLa Altagracia省を旅行したカナダ人6名およびヨーロッパ人8名の感染が確認された。全例にて熱帯熱マラリア原虫が確認され、旅行地は16例がLa Altagracia省のPunta Canaリゾート、1例はDuarte省San Feancisco de Macorisであり、11月3-16日に16例が帰国、1例は12月20日の帰国であった。全例、入院治療を受け(6例はICUに入院)、12月30日の時点で死亡例は報告されておらず、3例が現在も入院している。これを受けてCDCは11月24日、chloroquineの予防接種勧告対象地域にDuarte省とLa Altagracia省を追加するとともに、医師、旅行者に対しマラリア危険地域を改訂した。ドミニカ共和国のMinisty of Health (MoH)の調査では、2003―2004年におけるDurate省でのマラリア症例は他に確認されず、La Altagracia省では、2003年11月上旬、Punta Canaリゾート地域から10マイル離れたBavaro Zoneの移民労働者でのマラリア感染の増加が確認され、chloroquineおよびprimaquineによる直接監視治療および蚊駆除のため殺虫剤の噴霧や繁殖域へのlarvicideの適用などの措置が取られている。
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