ホームIMICライブラリMMWR抄訳2004年(Vol.53)ワクチン不足時におけるワクチン接種優先者の接種経験・・・
2004/12/17Vol. 53 / No. 49
MMWR53(49):1153-1155
Experiences with Obtaining Influenza Vaccination Among Persons in Priority Groups During a Vaccine Shortage - United States, October-November, 2004
今期の不活化インフルエンザワクチン供給が昨年期の約半分であることから、Harvard School of Public Health(HSPH)はInternational Communications Researchとともにインフルエンザ合併症リスク例における接種率、ワクチン不足のため接種を受けていない人の割合、ハイリスク例が接種を断念する要因について調査を行った。調査は2004年10月29日―11月9日に実施され、調査前3ヶ月間に接種しようとしたか、その場合どこで接種が受けられたか、その際に経験した問題点、接種しようとしなかった場合にはその理由を質問した。回答数は1,227名で、65歳以上の高齢者242名(19%)では、119名(49%)が接種を受けようとし、75名(63%)は接種を受け、44名(37%)は接種が受けられなかったと回答した。慢性疾患例306例(25%)では113名(37%)が接種を受けようとし、52名(46%)は接種を受け、61名(54%)は接種が受けられなかったと回答した。接種が受けられなかった理由として、ワクチン不足(68%)、接種機関が見つからなかった(50%)が多数を占めた。接種を受けようとしなかった257名は、その理由としてワクチン不足のため受けられるまで待っていた(32%)、ハイリスク例であることを認識してなかった(21%)、ワクチンの有効性を信じていない(18%)、ワクチン接種によりインフルエンザにかかる(18%)などを挙げた。6―23ヶ月齢の小児249名では、125名(50%)が接種を受けようとし、95名(76%)が接種を受け、30名(24%)は接種を受けられなかった。接種が受けられなかった理由として、ワクチンが見つからない、時間的な問題、医療関係者からワクチン不足または健康上の理由から接種を止められた、などが挙げられた。また、接種を受けようとしなかった理由として、危険性の認識不足(21%)、副作用の心配(19%)、受けなくても危険はないのでワクチン不足を理由に接種を受けるべきではないと言われた(18%)、ワクチンは有効ではないと思った(13%)などが挙げられた。また、ドイツの製薬会社が製造するワクチン(FDA未承認)については、成人ハイリスク例(65歳以上の高齢者および慢性疾患患者)の56%が他にワクチンがなければ、そのワクチンの接種を受けると回答した。医療提供者は、接種優先者は全員接種が受けられることと、ワクチン接種の必要性を強調し続けてゆくべきである。
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