ホームIMICライブラリMMWR抄訳2004年(Vol.53)中国からの養子における麻疹に関する多州での調査-2・・・
2004/04/16Vol. 53 / No. 14
MMWR53(14)309―310
Multistate Investigation of Measles Among Adoptees from China - April 9, 2004
2004年4月6日、ワシントン州Seattle and King Countyの公衆衛生局は最近中国から養子にきた小児における麻疹確認例を報告した。ワシントン州の公衆衛生局はCDCに報告し、他の州の健康局と協力して最近中国から養子にきた他の小児の所在を確認し、養親と連絡をとった。この報告では、現在実施中の調査の予備的成績を紹介する。調査は、養子を引き取るため3月に中国に渡航した11家族のグループを対象として行われた。このグループと養子となった12名の小児は、3月26日にアメリカに到着するまでの約10日間行動を共にしていた。12名の小児は湖南省の2ヶ所の児童養護施設から引き取られ、8名はワシントン州に行き、残り4名はアラスカ州、フロリダ州、メリーランド州、ニューヨーク州に各1名ずつ行った。4月9日現在、これら12名中9名に麻疹様皮疹が発現しており、4名(ワシントン州:3、メリーランド州:1)は血清学的に麻疹と確認された。皮疹発現者9名の年齢は生後12―18ヶ月で、皮疹発現日は3月22日―4月6日であった。現在、12名全員が麻疹のエビデンスについて検査中、あるいは公衆衛生局の観察下にある。これら小児のワクチン接種状況や麻疹既往歴は不明である。州および地域の健康局はAdvisory Committee on Immunization Practicesの勧告に従い可能性例や接触者の調査などを続けている。麻疹疑い例の3例は、3月26日に次の航空便で中国からアメリカへ向かう途中に感染した可能性が高い。・United Airlines 862便、香港発サンフランシスコ行き。・Cathay Pacific CX872便、香港発サンフランシスコ行き。・United Airlines 476便、サンフランシスコ発シアトル行き。・United Airlines 794便、サンフランシスコ発シアトル行き。アメリカにいる大部分の人々は麻疹に対する免疫があるのでリスクは低いが、これら4便の乗客で4月16日までに発熱や皮疹の発現がみられた場合には、麻疹の検査を受けるべきである。医療介護提供者は、世界各地から養子に来た小児におけるワクチンで予防可能な麻疹などの伝染性疾患に対し警戒する必要がある。
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