ホームIMICライブラリMMWR抄訳2004年(Vol.53)最新情報:インフルエンザ活性-アメリカ,2003~・・・
2004/04/09Vol. 53 / No. 13
MMWR53(13):284-287
Update: Influenza Activity - United States, 2003-04 Season
2003年9月29日―2004年3月27日におけるアメリカ国内のインフルエンザ活性がまとめられた。3月27日現在、WHOおよびNational Respiratory and Enteric Virus Surveillance System協力機関において計115,222検体が検査され、うち24,177検体(21.0%)が陽性を示した。10月25日に陽性率が10%を超え、ピークは11月29日の35.2%であった(1999―2003年における各年期ピーク値は23.9―30.9%)。24,177検体のうちA型は23,993検体(99.2%)、B型は184検体(0.8%)であり、サブタイプが判明したA型6,875検体では、6,873検体(99.9%)がA(H3N2)型、2検体(0.1%)がA(H1)型ウイルスであった。2003年10月1日以降に抗原解析した863株は、A(H3N2)型833株、A(H1)型3株、B型27株であり、A(H3N2)型833株のうち106株(12.7%)はワクチン株A/Panama/2007/99(H3N2)、727株(87.3%)はその変異株A/Fujian/411/2002(H3N2)に、A(H1)型はワクチン株A/New Caledonia/20/99に、B型24株はB/Sichuan/379/99、B型3株はB/Hong Kong/330/2001に類似していた。また、この期間中のインフルエンザ様疾患(ILI)による外来受診率は1.0―7.6%、11月15日に全国的基準値(2.5%)を超え、以後1月10日まで9週間この値を上回り、12月27日に7.6%とピークをむかえ、3月27日には0.9%に低下した。広範囲に及ぶインフルエンザ活性は10月18日より報告され、12月20日には45州に達し、さらに4州から地域的な活性が報告されている。翌週には全州が広範囲(42州)または地域的(8州)活性を報告しており、広範囲活性は1月24日まで、地域的活性は2月21日まで少なくとも1州から報告された。122のCities Mortality Reporting Systemによると、肺炎およびインフルエンザ(P&I)による死亡率のピークは1月10日(10.3%)であり、12月20日―2月14日までの9週間連続して流行閾値8.2%を上回り、3月27日には7.4%に低下している。また3月27日現在、CDCに報告されたインフルエンザによる18歳未満の小児死亡例は142例であった。さらに、2004年2月初旬、デラウエア、メリーランド、ニュージャージー、ペンシルベニア、テキサスの各州およびカナダ(ブリティッシュコロンビア州)にて鳥インフルエンザの発生が報告された。最もアウトブレイクしたのはA(H7N2)型またはA(H7N3)型であったが、テキサス州では病原性の高いA(H5N2)型であった。これらの発生と関連するヒトでの感染はアメリカでは確認されていないが、カナダでは養鶏従事者2名にてA(H7)型ウイルス感染が報告され、oseltamivirにより治癒し、現時点ではヒトからヒトへの二次感染は認められていない。
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