ホームIMICライブラリMMWR抄訳2004年(Vol.53)最新情報:献血および輸血による西ナイルウイルス感染・・・
2004/04/09Vol. 53 / No. 13
MMWR53(13):281-284
Update: West Nile Virus Screening of Blood Donations and Transfusion-Associated Transmission - United States, 2003
西ナイルウイルス(WNV)は主に蚊の媒介により感染が拡大するが、2002年、輸血によるWNVの伝染(TAT)が新たな感染経路として出現し、献血のスクリーニングが必要となっている。2003年6月、血液収集機関(BCA)がWNV nucleic acid-amplification tests(NAT)による調査を開始した。FDAの研究新薬に基づいてスクリーニング検査に反応した検体をindividual donating testing(IDT NAT)により再検査し、さらに反応を示した検体は輸血には使用せず、ドナーには次回の献血は28日以上間隔をおくよう指示し、BCAによるWNV感染確診のための直接追跡に参加するよう求めた。2004年3月31日現在、ArboNETにはIDT NATに繰り返し反応する推定ウイルス血症ドナー(PVD)が818名報告され(報告期間:6月25日―12月2日)、データの判明している811名(99%)のうち6名[1%、45(28―76)歳]がWNV脳炎または髄膜炎、137名[17%、46(17―76)歳]が西ナイル熱を発症、654名(81%)は無症候のままであった。また、2002年以降、輸血から4週間以内にWNV疾患を発症し、TATが疑われる症例はCDCへ報告するよう勧告されており、2003年には23例が報告された。そのうち6例がWNV TAT確診例または疑診例、11例がWNV TAT症例ではないと診断され、3例は現在調査中である。6例の確診/疑診例[63(13―82)歳]はいずれも複数のドナーから輸血されており、それぞれドナー1名でのWNV感染が確認されている。4例がWNV脳炎、1例が西ナイル熱を発症、1例はWNV感染症と診断されており、ウイルス力価は4例にて0.11(0.06―0.5)pfu/mLであった。
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