ホームIMICライブラリMMWR抄訳2003年(Vol.52)ポリオ根絶への進展-エチオピア,ソマリア,スーダン・・・
2003/11/07Vol. 52 / No. 44
MMWR52(44) : 1076-1079
Progress Toward Poliomyelitis Eradication - Ethiopia, Somalia, and Sudan, January 2002-August 2003
WHOが全世界でのポリオ根絶を決議した1988年以降、ポリオ患者数は99%以上減少し、ポリオが報告されている国は125ヶ国から7ヶ国となった。エチオピアとスーダンでは野生株ポリオウイルス(WPV)患者が1年以上、ソマリアでは1年間報告されていない。これら3ヶ国における2002年1月-2003年8月のポリオ根絶への進展の概要を報告し、ポリオ根絶に向けた今後の計画について述べた。1歳未満の小児における経口ポリオウイルスワクチン3回接種(OPV3)の全国的ルーチン接種率は、エチオピアでは2001年50%、2002年51%、ソマリアではそれぞれ33%、40%、スーダンの政府支配地域では71%、64%であった。内戦の影響を受けているスーダン南部における接種率は2001年、2002年とも20%未満と予想される。これらの国々では2002-2003年に最低2回の全国予防接種週間(NID)とハイリスク地域およびハイリスク集団を対象とした地域的予防接種週間(SNID)を含む戸別訪問(SIA)による追加予防接種活動が実施された。またこの期間中、3ヶ国とも非ポリオ急性弛緩性麻痺(AFP)率は目標値を達成し、適切な便検体の採取率も大幅に改善した。適切な便検体が2回採取できたAFP患者の割合はエチオピアでは2002年69%、2003年82%、ソマリアではそれぞれ67%、77%、スーダンでは90%、90%であった。2003年1-8月、これらの国々でWPV患者の報告はなかった。なお、2002年にソマリアのモガディシュにおいて3例のWPV3型症例がウイルス学的に確認されたが、2002年10月以降は報告されていない。これら国々でのポリオ根絶への進展を維持させるためには、特にソマリアのモガディシュでの持続的な資金援助と小児へのアクセス方法の改善が必要である。
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