ホームIMICライブラリMMWR抄訳2003年(Vol.52)重症急性呼吸器症候群(SARS)の伝播を防ぐための・・・
2003/07/25Vol. 52 / No. 29
MMWR52(29) : 680-683
Use of Quarantine to Prevent Transmission of Severe Acute Respiratory Syndrome - Taiwan, 2003
2003年7月5日、台湾はWHOの重症急性呼吸器症候群(SARS)関連国リストから除外された。7月9日現在、台湾ではSARS可能性例が671例報告されており、初発例は2月21日に香港を経由した広東省への渡航者であった。SARS疑い例と可能性例の分離、医療従事者と来訪者の感染防御対策、SARS患者接触者の隔離といった初期のSARSコントロール策は効果的に思われた。しかし4月中旬、未確認のSARS患者により大規模な院内感染が起こり他の医療施設および地域にSARS関連コロナウイルスが伝播したため、隔離策を拡大させた。3月18日以降SARS患者と接触した人を10-14日間(レベルA隔離:50,319名)、4月28日-7月4日にWHOが定めたSARS関連地域への渡航者を10日間(レベルB隔離離:80,813名)隔離し、流行終息までに隔離された人数は131,132名となった。うちSARS疑い例あるいは可能性例と診断されたのはレベルA隔離下で112例(0.22%)、レベルB隔離下で21例(0.03%)であった。口腔咽頭のスワブ検体を採取したSARS疑い例88例中68例(77%)とSARS可能性例45例中40例(88%)では、それぞれ5例(7%)、16例(40%)がPCR法にて陽性であった。台湾はSARSアウトブレイク中に隔離策を実施した国の1つであり、このような隔離策の実施については今後コストなどの面からも評価する必要がある。
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