ホームIMICライブラリMMWR抄訳2003年(Vol.52)ポリオ根絶への進展-アフガニスタンおよびパキスタン・・・
2003/07/25Vol. 52 / No. 29
MMWR52(29) : 683-685
Progress Toward Poliomyelitis Eradication - Afghanistan and Pakistan, January 2002-May 2003
1988年以降、世界的なポリオ根絶活動によりポリオを風土病とする国は127ヶ国からアフガニスタンとパキスタンを含む7ヶ国へと減少した。これら2ヶ国はその地理的な近接性、国境間での人々の頻繁な移動、遺伝的に類似した野生ポリオウイルス(WPV)の存在のため、1つの疫学的ブロックと考えられている。2002年、生後12ヶ月未満の乳児におけるルーチンでの3回の経口ポリオウイルスワクチン(OPV)接種率はアフガニスタンで48%、パキスタンで71%であった。2000年以降、両国では毎年最低4回の全国予防接種週間(NID)と3回の地域的NID(SNID)とともに、戸別訪問接種による追加予防活動を頻繁に実施している。15歳未満の小児10万人あたりの非ポリオ急性弛緩性麻痺(AFP)率は、2002年はアフガニスタンで3.3人、パキスタンで2.8人であったが、2003年1月-5月はそれぞれ3.8人、3.0人に増加した。また全AFP患者における適切な便検体採取率は、2002年はアフガニスタンで81%、パキスタンで87%であったが、2003年1月-5月はそれぞれ85%、89%と増加傾向がみられた。ウイルス学的に確認されたポリオ患者は、アフガニスタンでは2001年に11例、2002年に10例(WPV1型:5、3型:5)、2003年1月-5月に1例(3型)、パキスタンではそれぞれ119例、90例(1型:67、3型:23)、39例(1型:23、3型:16)報告された。アフガニスタンとパキスタンにおけるポリオ根絶のためには、依然として伝播が続いている地域での活動の質の改善などを優先して行う必要がある。
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