ホームIMICライブラリMMWR抄訳2003年(Vol.52)ポリオ根絶への進展-ナイジェリア,2002年1月~・・・
2003/06/20Vol. 52 / No. 24
MMWR52(24) : 567-570
Progress Toward Poliomyelitis Eradication - Nigeria, January 2002-March 2003
WHOが世界的なポリオ根絶を決議した1998年以降、ポリオの年間発生率は99%以上減少した。ナイジェリアでは全国的なルーチンでのワクチン接種サービスが不十分であり、1歳未満の乳児における3回の経口ワクチン(OPV)接種率は2000年約38%、2001年約25%であった。1996年に全国予防接種週間(NID)が設けられて以来、毎年生後59ヶ月以下の小児を対象とした補充OPVワクチン接種活動が実施されている。2002年には3回のNID、2回の地域的予防接種週間(SNID)、追加一掃活動が実施された。2003年5月現在、5回のSNIDと追加一掃活動が完了しており、10月と11月にはポリオが風土病となっている8州をカバーする1回のSNIDと2回のNIDが計画されている。15歳未満の小児10万人あたりの非ポリオ急性弛緩性麻痺(AFP)症例数と、便検体(2種類)の採取率から評価されるAFPサーベイランスの質に向上がみられ、2001年から2002年にかけて非ポリオAFP率は3.8から5.7に、便検体採取率は68%から84%に増加した。2002年には37州中35州(95%)で2種類の便検体採取率が80%以上となった。2003年1月-3月における非ポリオAFP率は4.2であり、AFP患者の91%から2種類の便検体が採取でき、37州中33州(89%)は便検体採取率が80%以上であった。AFPサーベイランスの質の向上により、野生株ポリオウイルス(WPV)確認例は2001年56例から2002年202例に増加した。2003年3月現在のWPV確認例は32例である。2002-2003年にかけて北部の州で深刻なWPV伝播が続いており、2002年の確認例202例中133例(66%)は北部5州が占めていた。また202例中95例(47%)が2歳未満の小児であり、ワクチン接種状況が報告された167例中33例(20%)はOPVを受けていなかった。今後、より良い活動計画の立案や持続的なモニタリングなどを含む質の高いワクチン接種活動が必要と考える。
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