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MMWR抄訳

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2003/03/14Vol. 52 / No. 10

MMWR52(10) : 199- 201
Poisoning by an Illegally Imported Chinese Rodenticide Containing Tetramethylenedisulfotetramine - New York City, 2002

不法に輸入されたtetramethylenedisulfotetramineを含有する中国製殺鼠剤による中毒-ニューヨーク市,2002年

tetramethylenedisulfotetramine (TETS)は無味無臭の可溶性白色結晶性粉末であり、γ-アミノ酪酸(GABA)拮抗薬として作用する。ピクロトキシン同様、ニューロン細胞膜上のGABA受容体に非競合的かつ非可逆的に結合し、クロライドチャネルを遮断する。アメリカでは輸入、製造および使用が禁止されている。2002年5月15日、NYC在住の15ヶ月齢女児が中国から持ち込んだ殺鼠剤で遊んでいるところを両親に発見された。15分後、全身性痙攣発作を来し、救急外来へ運ばれた。血糖値は108mg/dLで、ロラゼパム、フェノバルビタール、ピリドキシンを投与したが間欠性痙攣発作は4時間続き挿管を要した。3日後に抜管したが、欠神発作や皮質盲などの多発性神経欠損がみられ、脳波モニタリングではてんかん誘発性病巣が複数認められた。6月に退院したが、11月5日の時点で著しい発育遅延がみられ、痙攣抑制のためバルプロ酸療法を施行中である。殺鼠剤のパッケージラベルには英語での成分記載はなかった。China National Poison Control Center(NPCC)のウェブサイトからモノフルオロ酢酸塩、フルオロアセトアミド、TETSまたはストリキニーネを含有することが判明したが、分析ではフルオロ酢酸塩、フルオロアセトアミド、bromethalin、ストリキニーネ、1,2-difluoro-2propanolおよびカルバメート系殺虫剤は陰性であった。9月14日、中国において1980年代半ばから販売禁止となり、今も広く使用されているTETS含有殺鼠剤Dushuqiangの中毒により38名が死亡する事件が起きた。これを受けてNew York City Poison Control CenterがガスクロマトグラフィーによりNYCでの中毒事件の原因である殺鼠剤のTETS含有量を分析した結果、1袋あたり6.4%、別の袋からは13.8%検出された。今後、公衆衛生教育を通じてTETS中毒を予防し、違法な有毒化学薬品の輸入の取り締まりを強化する必要がある。

References

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