サル痘のアウトブレイク ― 9州、2022年5月

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ホーム IMICライブラリ MMWR抄訳 2022年（Vol.71)サル痘のアウトブレイク ― 9州、2022年5月

MMWR抄訳

2022/06/10Vol. 71 / No. 23

MMWR71(23):764－769
Monkeypox Outbreak — Nine States, May 2022

2022年5月17日に、マサチューセッツ州公衆衛生局(MDPH)のLaboratory Response Network (LRN)研究所は、マサチューセッツ州の居住者から入手した病変スワブからRT-PCR法によりオルソポックスウイルスDNAを確認した。オルソポックスウイルスにはサル痘の原因となるサル痘ウイルスが含まれる。5月17日に、CDCは、州および地方の管轄区域と協力して、アメリカでのさらなるサル痘の症例を特定、監視、調査するための緊急対応を開始した。この対応には、Health Alert Network(HAN) Health Advisoryのリリース、暫定的な公衆衛生および臨床勧告の作成、LRN検査のガイダンスのリリース、臨床医および公衆衛生パートナーの地域支援活動の提供、公衆への健康コミュニケーションメッセージの発信、医学的対策の使用と発表のためのプロトコールの開発、アメリカ政府が備蓄している曝露後予防ワクチンおよび抗ウイルス薬の送達を円滑にすることが含まれていた。5月18日にCDCでのRT-PCR検査により、患者がサル痘ウイルスの西アフリカ系統群に感染していることが確認され、5月19日には、臨床診断やオルソポックスウイルス検査の推奨事項を含む、サル痘の可能性のある症例を評価するためのガイダンスを州に提供するために、コールセンターが設立された。5月31日の時点で、アメリカの9州(カリフォルニア州、コロラド州、フロリダ州、ジョージア州、マサチューセッツ州、ニューヨーク州、ユタ州、バージニア州、ワシントン州)にてオルソポックスウイルス感染(このアウトブレイク対応中ではサル痘ウイルスと考えられる)が確認された17例が報告された。17例のうち14例は発症前の21日間に海外旅行をしており(11カ国)、16例はゲイ、バイセクシュアル、男性の同性間性的接触者と特定された。全例が成人(平均年齢40歳、28～61歳）、発疹の発症日は5月1日～27日、3例が免疫不全であった。オルソポックスウイルス感染症の診断は発疹発症から平均11日(0～21日)後になされ、発疹に加えて、悪寒(12例)、疲労/倦怠感(11例)、リンパ節腫脹(9例)の報告が多く、発熱は7例であった。12例が発疹の発症前に疲労、発熱、頭痛などの前駆症状があった。さらに、サル痘の流行地域でない28の国と地域では、検査で確認された症例が報告されている。調査では人から人への市中感染を示唆され、CDCは保健部門、臨床医、一般市民に警戒を続け、適切な感染予防および対策を策定し、疾患拡大を減らすために疑わしい症例を公衆衛生当局に通知するように要請している。公衆衛生当局は、可能性のある感染源を究明し、さらなる拡大を防ぐために、症例の特定および調査を実施している。

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