関節炎の成人におけるウォーキングとその他の一般的な身体活動 ― アメリカ、2019年

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MMWR抄訳

2021/10/08Vol. 70 / No. 40

MMWR70(40):1408－1414
Walking and Other Common Physical Activities Among Adults with Arthritis — United States, 2019

関節炎の成人におけるウォーキングとその他の一般的な身体活動 ― アメリカ、2019年

身体活動には、慢性疾患リスクの減少、メンタルヘルスおよび生活の質(QOL)の向上など多くの健康効果がある。関節炎[関節や周囲の組織に影響する約100の一連の症状(最も多いのは変形性関節症、線維筋痛症、痛風、関節リウマチ、ループス)]の成人の身体活動により、身体機能を改善し、痛みと転倒のリスクを減らすことができる。これらの効果にもかかわらず、現在関節炎であるアメリカ成人5460万人は、関節炎のない成人よりも一般的に活動性が低く、有酸素運動をしている(有酸素運動ガイドラインの基準を満たしている）関節炎成人は36.2％のみであり、関節炎成人がどの身体活動を行っているかについてはほとんど知られていない。CDCは2019年のBehavioral Risk Factor Surveillance System(BRFSS)データを分析し、過去1カ月間に何らかの身体活動をした関節炎成人における仕事関連以外で最も多かった身体活動を全国的および州ごとに調査した。2019年では、関節炎成人の67.2％が過去1カ月間に身体活動を行い、最も多かった活動はウォーキング(70.8％)で、次いで、ガーデニング(13.3%)、ウエイトリフティング(7.3%)が多かった。アメリカの45州では、身体活動を行った関節炎成人の少なくとも3分の2が、ウォーキングをしていた。ウォーキングをしている割合は、18～44歳で最も少なかった(63.7％)。年齢で調整したウォーキングの割合は、女性(76.0％)にて男性(63.9％)よりも多く、非ヒスパニック系黒人(黒人、75.4％)にて非ヒスパニック系白人(白人、70.0％)および非ヒスパニック系その他人種/多民族(68.3％)より多く、就労不能または障害のある成人(79.0％)にて他の就業者(67.7％～74.8％)よりも多かった。年齢で調整したウォーキングをしている関節炎成人の割合は、関節痛重症度やBMIが上昇するにつれて増加し、教育、収入、自己評価による健康度が高くなるほど減少した。年齢で調節したガーデニングをしている関節炎成人の割合は、女性(15.1％)にて男性(10.9％)よりも多く、白人(14.4％)にて非ヒスパニック系アメリカ先住民/アラスカ先住民(8.0％)、黒人(7.8％)より多く、地方ほど増加した。ウエイトリフティングをしている関節炎成人の割合は18～44歳にて最も多く(12.3％)、年齢が上昇するにつれて減少し、男性(10.9％)にて女性(4.7％)より多く、教育、収入、自己評価による健康度が高くなるにつれて増加し、関節痛重症度が増加するにつれて、また、地方になるにつれて減少した。医療従事者は、活動的ではない関節炎成人が活動的になるのを支援し、身体活動を奨励し、エビデンスに基づく身体活動プログラムを紹介することにより、関節炎成人の健康およびQOLを改善することができる。

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