ホームIMICライブラリMMWR抄訳2021年(Vol.70)COVID-19の転帰における人種格差を査定し、地・・・
2021/09/17Vol. 70 / No. 37
MMWR70(37):1267-1273
Disaggregating Data to Measure Racial Disparities in COVID-19 Outcomes and Guide Community Response — Hawaii, March 1, 2020–February 28, 2021
ハワイ先住民や太平洋諸島民の集団はCOVID-19による影響が偏っている。ハワイ先住民、太平洋諸島民、アジア人の集団は言語、文化的慣習、社会経験、経済的経験、環境的経験が様々であり、これらが健康転帰に影響を与える可能性があるが、これらの集団のデータは、分析ではまとめて集計されることがよくあり、これらの部分母集団における格差を理解することが限られている可能性がある。今回、ハワイ先住民、太平洋諸島民、アジア人の集団におけるCOVID-19転帰の格差について評価するため、2020年3月1日~2021年2月28日にHawaii State Department of Health(HDOH)に報告されたCOVID-19症例(21,005例)およびCOVID-19関連死亡例(449例)の人種データを用いて、非集計記述的分析を行った。この期間、ハワイ州における人口10万人あたりのCOVID-19罹患率は1,447例、死亡率は32例であった。人種別でのCOVID-19罹患数および死亡数は、ハワイ先住民(304,167名)ではそれぞれ3,591例(人口10万人あたり1,181例)、45例(同15例)、太平洋諸島民(65,789名)ではそれぞれ4,651例(同7,070例)、99例(同150例)であり、太平洋諸島民はハワイの人口の5%にあたるが、COVID-19症例および死亡例はそれぞれ22%を占めていた。さらに人種を細分化した場合、太平洋諸島民では、マーシャル諸島民[人口8,960名、COVID-19症例数948例(人口10万人あたり10,580例)、死亡数19例]、その他ミクロネシア系[人口20,198名、COVID-19症例数1,816例(同8,991例)、死亡数49例(同243例)にてCOVID-19罹患率が高かった。アジア人は全体で人口802,551名、COVID-19症例数8,807例(同1,097例)、死亡率34例(同272例)であり、フィリピン人[人口367,291名、COVID-19症例数4,579例(人口10万人あたり1,247例)]およびベトナム人[人口14,998名、COVID-19症例数180例(同1,200例)]にて罹患率が高く、日本人(人口802,551名)ではCOVID-19症例数8,807例(同1,097例)であった。アジア人の部分母集団における粗死亡率は10万人あたり20例(中国人)~33(日本人)であった。以上、ハワイ先住民、太平洋諸島民、アジア人の人種データを細分化することにより、これらの特定の部分母集団における人種間格差の特定を支援し、文化的に対応する地域連携チームを発展させるために地域と提携、健康格差に効果的に対処するため、それぞれの地域に合わせた公衆衛生介入やワクチン接種キャンペーンの重要性を強調する可能性がある。
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