ホームIMICライブラリMMWR抄訳2020年(Vol.69)COVID-19が確定診断された患者に接触した人に・・・
2020/03/06Vol. 69 / No. 9
MMWR69(9):245-246
Active Monitoring of Persons Exposed to Patients with Confirmed COVID-19 — United States, January–February 2020
2019年12月に、SARS-CoV-2ウイルスに起因する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のアウトブレイクが中国武漢で発生した。COVID-19は中国で蔓延し、2020年2月26日時点でアメリカを含む他の36カ所の国と地域で症例が確認されている。2020年1月20日にアメリカの州および地方の保健部門はCDCから派遣されたチームと協力し、COVID-19が確認された症例と濃厚接触したと考えられるすべての人の特定とモニタリングを開始した。2月26日時点で、アメリカでは旅行関連のCOVID-19症例12例に加え、旅行歴のない3例(家族内濃厚接触の2例を含む)、アメリカに送還されたアメリカ市民46例でのCOVID-19症例が確認された。確定診断後、旅行関連COVID-19の12例は、医学的に必要な場合は病院で、在宅ケアで臨床的に十分であると判断された場合には自宅にて隔離された。アメリカで旅行関連COVID-19と確定診断された最初の10例の発症日またはその後にこれらの症例に濃厚接触した計445人が確認された(1症例あたり1~201人)。濃厚接触者445人に対する積極的な症状モニタリングとして、COVID-19確定診断例との最後の接触から14日間にわたり、発熱やその他の症状に関する調査が地方保健局により実施された。14日間の積極的な症状モニタリング中に、濃厚接触者54人(12%)が新規症状または症状悪化を呈し、地方の公衆衛生当局によってCOVID-19の懸念がある調査対象者と判断され、その後、SARS-CoV-2の検査を受けた。COVID-19が確定診断された患者の家族の2例がSARS-CoV2検査陽性であり、症候性の二次感染率は、濃厚接触者全体では0.45%、家族内では10.5%となった。二次感染が確認された2人は、COVID-19が確認される前にそれぞれの感染元の患者と濃厚接触しており、COVID-19診断後に感染元の患者から隔離された。その他のSARS-CoV-2の検査を受けた濃厚接触者に陽性はいなかった。2次感染者2人の濃厚接触者146人に対し、14日間の積極的モニタリングを実施し、18例がCOVID-19に合致する症状を発症したが、検査は陰性であった。2月28日以降、新規診断の推定COVID-19症例では、関連する旅行歴もなく、COVID-19が確定診断された患者への疫学的な接触も不明な患者が増加している。集中的な追跡調査にもかかわらず、アメリカでは、旅行関連COVID-19と診断された最初の10例との濃厚接触者において、症候性SARS-CoV-2の継続的な人から人への感染は認められなかった。各患者における罹患中の感染のタイミングと感染の経路および期間の分析は、感染の可能性がある危険因子に関する情報を示す。COVID-19患者とその家族、医療従事者による感染の制御および予防に対する取り組みは、接触者追跡調査と合わせて、地域社会での疾患の拡散を減らすために重要である。
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