女性、乳児、子供のための特別な栄養補助プログラムに登録されている2～4歳児における肥満の州別での有病率 ― アメリカ、2010年～2016年

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MMWR抄訳

2019/11/22Vol. 68 / No. 46

MMWR68(46):1057－1061
State-Specific Prevalence of Obesity Among Children Aged 2–4 Years Enrolled in the Special Supplemental Nutrition Program for Women, Infants, and Children — United States, 2010–2016

女性、乳児、子供のための特別な栄養補助プログラムに登録されている2～4歳児における肥満の州別での有病率 ― アメリカ、2010年～2016年

肥満は、心血管疾患の危険因子、2型糖尿病、喘息、脂肪肝疾患、社会的不名誉やいじめの被害、精神的健康の低下(不安や抑うつなど)との関連性により小児の健康に悪影響を及ぼす。幼児期に過体重または肥満になった小児は正常体重だった児童と比べ、若年成人期に過体重または肥満になる可能性が約4倍になる。肥満の有病率は低所得世帯の小児において特に高い。2010年では、米国農務省(USDA)のプログラムである女性、乳児および小児のための特別な補助栄養プログラム(WIC)に登録された2～4歳の幼児において、肥満有病率の全体的な上昇傾向が下降に転じた。2010年～2014年では、すべての人種/民族群、WICの州または準州の56機関のうち34機関にて有病率が有意に減少した。WICに登録されている幼児を対象とした最近の研究では、全体の肥満有病率が2010年の15.9％から2016年の13.9％に減少し、すべての年齢、性別、人種/民族のサブグループで統計的に有意な減少を認めた。だが、この研究では州ごとでの肥満傾向の情報はなかったため、今回、CDCはUSDAと共同で、WIC Participant and Program Characteristics(WIC PC)のデータを使用し、2016年までの州別の最新の傾向を分析した。最終的な分析対象には、2010年、2012年、2014年、2016年の50州、ワシントンDC、5つのアメリカ準州におけるWIC機関のプログラムに登録した2～4歳児12,403,629人とした。2010年の粗肥満率は9.6％(コロラド州)～21.5％(バージニア州)であった。2010年～2016年では、WICの州または準州の56機関のうち41機関で全期間にわたって統計的に有意な肥満有病率の減少を認めた。調整後の肥満有病率は7つのWICの州または準州機関(グアム、ニュージャージー州、ニューメキシコ州、北マリアナ諸島、プエルトリコ、ユタ州、バージニア州)にて3パーセントポイントより大きく減少した。最も大きく減少したのはプエルトリコで、2010年から2016年にかけて調整された肥満有病率は8.2パーセントポイント減少した。全期間にわたって調整後の肥満有病率が有意に増加したのは3つの州のWIC機関のみで、アラバマ州で0.5パーセントポイント、ノースカロライナ州で0.6パーセントポイント、ウェストバージニア州で2.2パーセントポイントの増加であった。すべての世帯収入レベルにおいて幼児の健康的な食生活と身体活動を促進し、WICに登録している幼児の栄養教育と母乳育児支援を強化し、WIC食品パッケージで健康的な食品の提供を奨励するための包括的なアプローチは、これらの肥満の減少傾向の維持または促進に役立つと考えられる。

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