ホームIMICライブラリMMWR抄訳2016年(Vol.65)リスク因子の不明な患者におけるジカウイルス感染症の・・・
2016/09/16Vol. 65 / No. 36
MMWR65(36):981-982
Preliminary Findings from an Investigation of Zika Virus Infection in a Patient with No Known Risk Factors — Utah, 2016
2016年7月12日、Utah Department of Health (UDOH)は1人の医師より、7月1日から発熱、発疹および結膜炎を来した症例(患者A)を診察しているとの報告を受けた。患者Aはジカウイルスの流行地域への旅行歴はなく、流行地域へ旅行した人との性的接触、輸血、臓器移植もなく、蚊に咬まれてもいなかったが、海外でジカウイルス疾患にかかった家族(高齢男性)を数日間看護していた。この男性は6月25日、多臓器不全を伴う敗血症性ショックのため病院で死亡しており、死亡する2日前の血液検体にてジカウイルス疾患例の平均値の約10,000倍高濃度のウイルス血症であった。患者Aは発症から7日後のrRT-PCR検査にてジカウイルス疾患と診断されており、発症から11日後の血清検体はジカウイルス抗体陽性であり(MAC-ELISA法)、中和抗体も検出されていた(PRNT法)。Salt LakeおよびDavis County Health Department、UDOHはCDCの援助を受け、患者Aの感染源の調査を開始し、患者Aを含む家族接触者19名の問診および血液と尿の検体採取を行ったが、患者Aを除く全員が曝露後2~3週間の検体でrRT-PCR、MAC-ELISA法にてジカウイルス感染陰性であった。また、死亡した男性を看護した医療関係者86名、および近所の住民(半径200m以内)238名に関しては、8月22日現在、感染例は認めていない。患者Aは他の家族と同じように死亡した男性とハグやキスをしており、直接便に触れることもなかったため、感染経路はまだ明らかとなっていない。
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