ホームIMICライブラリMMWR抄訳2014年(Vol.63)2つのヘルスケア施設における定期的なHIVスクリー・・・
2014/06/27Vol. 63 / No. 25
MMWR63(25):537-541
Routine HIV Screening in Two Health-Care Settings — New York City and New Orleans, 2011–2013
アメリカではHIV感染生存者110万人(推定)のうち、約16%が感染を認識しておらず、CDCは2006年以降、医療関係者に対し13~64歳の患者全員にHIVスクリーニング検査を行うよう勧告している。今回、Urban Health Plan(UHP)(ニューヨーク市のヘルスセンター)およびInterim Louisiana Hospital(ILH)(ニューオーリンズ)の新しいHIVスクリーニングプログラム(Frontlines of Communities in the United States:FOCUS)について報告する。UHPにおいてHIV検査を受けた患者の割合は2010年:8%から2011年1月~2013年9月:56%に増加、月平均のスクリーニング検査人数は2007~2010年:188例から2011年1月~2013年9月:986例となった。2010年に検査を受けた3,358例のうち19例(0.57%)がHIV陽性であり、3例(16%)が新規診断例であった。2011年1月~2013年9月に検査を受けた32,534例では148例(0.45%)が陽性であり、うち43例(29%)が新規診断例であった。HIV感染症の新規診断率は男性:0.25%、女性:0.08%、非ヒスパニック系:0.23%、ヒスパニック系:0.12%、31歳以上:0.18~0.19%、30歳以下:0.08%であった。HIV陽性であった148例は全例、治療歴がなく、120例(81%)が治療を開始した。また、ILHにおいてHIVスクリーニング検査プログラムを受けた患者の割合は、2012年、救急科(ED)にて17%、救急外来(UCC)にて3%であったが、2013年3月中旬~12月はED:26%、UCC:17%に増加、月平均の検査人数は2010~2012年:821例から2013年:1,323例となった。2012年に検査を受けた11,257例のうち106例(0.94%)がHIV陽性であり、54例(51%)が新規診断例であった。2013年3月中旬~12月に検査を受けた12,568例では102例(0.81%)が陽性であり、うち77例(75%)が新規診断例、また5例(7%)は急性HIV感染症であった。新規診断率は、男性:0.89%、女性:0.28%、黒人:0.63%、白人:0.49%、ラテン系:1.00%、非ラテン系:0.60%、23~30歳:0.92%、23歳未満:0.68%、30歳以上:0.32~0.71%であった。HIV陽性であった102例のうち91例(89%)は治療歴がなく、67例(74%)が治療を開始した。以上、FOCUSプログラムによるHIVスクリーニング率が増加し、適切なHIV治療の実施が可能となった。
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