ホームIMICライブラリMMWR抄訳2014年(Vol.63)竹のたき火に関連したヒストプラスマ症 ― アーカン・・・
2014/02/28Vol. 63 / No. 8
MMWR63(8):165-168
Histoplasmosis Associated with a Bamboo Bonfire — Arkansas, October 2011
ヒストプラスマ症は鳥やコウモリの糞によって媒介され、アーカンソー、オハイオ、ミシシッピ各州とその周辺地域、ミシシッピ川流域に常在している。2011年10月27日、Arkansas Department of Health (ADH)にアーカンソー州北東部のプライマリケア医からヒストプラスマ症3例の報告があり、続いて11月4日、小児感染症専門医から肺ヒストプラスマ症疑い7例の報告があった。これらの報告を受けてアウトブレイク調査が開始され、その結果、家族の集まりに参加した19名(4~62歳)においてヒストプラスマ症の確診例7例、疑い例11例が確認された。その家族は10月7~8日にアーカンソー州北東部の町の住宅地にある家に集まり、裏庭の竹林を伐採して砦を作り、たき火やバーベキューを行った。ホストファミリーは1カ月前に当地に移転したところで、それまでに裏庭で長時間過ごしたり、竹を伐採したり燃やしたことはなかった。参加した全員が集まり後に発症し、診断基準に合致しない1名を除く18名(男性11名、女性7名、5歳未満2名、5~9歳5名、10~19歳5名、20歳以上6名)の症状は発熱(83%)、咳(67%)、息切れ(61%)であった。胸部X線造影検査を行った14名のうち11名(79%)に異常所見が認められ、そのうち10名がHistoplasma属菌抗体陽性、8名が菌糸抗体陽性であった。尿中抗体は3名中2名が陽性となった。16名が医療機関を受診し、そのうち7名が入院、7名がイトラコナゾールによる治療を受け、2名は自然治癒した。入院の有無や抗Histoplasma抗体価と特定の野外活動との相関は認められなかった。地域住民によると竹林はハゴロモガラスの営巣地で、コウモリは見られなかった。家主は住居の暖房や空調設備は専門業者によるクリーニングを行った。竹林は伐採を計画し、CDCの推奨に従いホルムアルデヒドによる除菌を行った。ADHは除菌についてはこの場合は効果が期待できないとして推奨していない。州内のプライマリケア医と保健関係者にアウトブレイクの情報と、類似症状の患者についてはヒストプラスマ症を疑うよう通達が出された。たき火による熱と気流が胞子の伝播に関与した可能性があり、今後の検証が必要である。
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