ホームIMICライブラリMMWR抄訳2013年(Vol.62)リンパ系フィラリア症根絶に向けた集団投薬 -ポルト・・・
2013/06/14Vol. 62 / No. 23
MMWR62(23):466-468
Mass Drug Administration for the Elimination of Lymphatic Filariasis - Port-au-Prince, Haiti, 2011-2012
WHOはリンパ系フィラリア症(LF:象皮症)の根絶に向けて2010年より集団投薬(MDA、目標実施率:65%以上)を行っている。症例数は全世界にて1億2000万例と推定され、アメリカ諸国ではLFを風土病とするハイチにて1,240万人が発症リスクにあり、2020年までの根絶を目標に2011年の時点でポルトープランスを除く全地域にてMDAが行われた。ポルトープランスでは2011年11月~2012年2月に1回目のMDAが実施され、その実施率の調査が行われた。調査は5月3~21日、2,102世帯を対象とし、78%(6,345名)が参加した。その結果、MDAの錠剤服薬率は71%であり、男女別では男性:72%、女性:71%、年齢別では2~4歳:55%、5~14歳:83%、その後低下し、65歳以上では62%であった。また、キャンプ内の国内避難民(IDP)にて77%と最も高かった。18歳以上を対象としたKAP(knowledge、attitudes、practices)アンケート(回答数:1,976)では88%がMDAの開始前に認識があったと回答し、うち74%に錠剤が配給され、71%が服用した。認識がなかった人では服用率は50%であった。服用しなかった理由として61%が安全性および服用により病気になる不安を挙げ、服用後の有害事象は34%にて報告され、悪心/嘔吐:62%、疲労感:42%が多かった。以上、ハイチでのMDAの適用率は目標値に届いていない地域が多く、今後もLF根絶に向けた取り組みが必要である。
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