ホームIMICライブラリMMWR抄訳2011年(Vol.60)灰白髄炎根絶への進歩-アフガニスタン、パキスタン、・・・
2011/11/11Vol. 60 / No. 44
MMWR60(44):1523-1527
Progress Toward Poliomyelitis Eradication - Afghanistan and Pakistan, January 2010-September 2011
アフガニスタン、パキスタン、インドおよびナイジェリアでは依然として野生型ポリオウイルス(WPV)の伝播が認められており、世界的根絶に向けてこれら4ヶ国への積極的介入は重要である。ここでは2010年1月~2011年9月におけるアフガニスタン、パキスタンでの活動について報告する。この期間、アフガニスタンでは紛争被災地である南部地域と西部ファラー州付近にてWPV伝播が認められ、症例数は2010年:25例(WPV1:17、WPV3:8)と2009年:38例(WPV1:15、WPV3:23)より減少、2011年1~9月は42例(すべてWPV1、前年同期:19例)、パキスタンではカイバルパクトゥンクワ(KP)州、連邦直轄部族地域(FATA)、パンジャブ、バローチスターン、シンド州にて2010年:144例(WPV1:120、WPV3:24)と2009年:89例(WPV1:60、WPV3:28、WPV1/WPV3:1)より増加、2011年1~9月は120例(WPV1:118、WPV3:2、前年同期:93例)であった。2010年の乳児に対する経口ポリオワクチン3回接種(OPV3)はアフガニスタン:66%、パキスタン:88%と推定された。2010年1月~2011年9月、アフガニスタンではNational Immunization Day(NIDs)を7回、東部、南東部、南部および西部ファラー州にてSubnational Immunization Day(SNIDs)を7回、パキスタンではNIDsを9回、KP州、FATAおよび南部地域ではSNIDsを7回行い、さらに小規模のSupplementary Immunization Activities (SIAs)が行われた。また、この期間はセキュリティの問題から紛争地帯の侵入不能地域に対する戸別接種活動を行うことができず、各キャンペーンあたりアフガニスタンでは72,000~274,000人、パキスタンの連邦直轄部族地域(FATA)では225,000~350,000名の小児が接種を受けていないと推定されている。急性弛緩性麻痺(AFP)サーベイランスでは2010年、15歳未満の小児10万人あたりの非ポリオAFP年間発症率はアフガニスタン:9.2、パキスタン:6.9、検体収集率はアフガニスタン:93%、パキスタン:89%であり、2010年1月~2011年9月においてはアフガニスタンにて2,894検体、パキスタンにて9,352検体が収集された。Global Polio Eradication Initiative (GPEI)はこの4ヶ国のうち2ヶ国でのWPV伝播の完全阻止、4ヶ国での完全阻止の目標をそれぞれ2011年、2012年としており、この目標達成に向けての活動が継続している。
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