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MMWR抄訳

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2010/12/10Vol. 59 / No. 48

MMWR59(48): 1586-1590
Update: Outbreak of Cholera - Haiti, 2010

最新情報:コレラのアウトブレイク-ハイチ、2010年

2010 年10月21日、ハイチにおいて過去100年間で初めてコレラのアウトブレイクが発生した。この報告は、このアウトブレイクに関してHaitian Ministry of Public Health and Population(MSPP)が発表した12月3日までの最新のサーベイランスデータをまとめたものである。ハイチにおけるコレラのアウトブレイクは全国に拡大し、コレラの発症例とコレラによる入院・死亡例は11月に急速に増加した。12月3日の時点でハイチの10県全てと首都ポルトープランスからコレラ患者91,770例が報告され、このうち42,596例(46.4%)は最初に検査確定例が報告されたArtibonite県からの報告であった。全体として43,243例(47.1%)が入院し、2,071例(2.3%)が死亡した。また発症例のうち82,599例(90.0%)、入院例のうち 39,435例(91.2%)、死亡例のうち1,908例(92.1%)は5歳以上であった。11月27日~12月3日の1日死亡者数の中央値は41例 (18~64例)であり、12月3日の時点での全体的な致死率(累積死亡者数/累積発症者数)は2.3%、院内致死率(累積院内死亡者数/累積入院者数) は3.3%であった。この期間中の7日間院内致死率はArtibonite県(11月9日:4.2%、12月1日:1.4%)、他の全県とも有意に低下した。Artibonite県では11月12~16日に5歳以上の住民におけるコレラによる致死率の調査を行い、全体としてコレラによる死亡者87例を確認した。このうち58例(67%)は男性で、8例(9.2%)は5~18歳、79例(90.8%)は19~100歳であった。48例(55%)は病院あるいは他の医療施設、39例(45%)はコミュニティで死亡した。コミュニティでの死亡例における発症から死亡までの期間の中央値は12時間(2時間~8日) であり、このうち経口補水液(ORS)の投与を受けたのは9例(23%)のみであった。また16例(41%)は医療施設を受診しようとしたが、8例は受診する途中で死亡し、8例は退院後に死亡した。受診しようとしなかった23例の理由として、10例の家族は患者がコレラだと思わず、7例の家族は医療施設への受診が困難であり(夜間の搬送など)、6例の家族は受診する必要がないと思っていた。コレラは早期診断と適切な補水療法により致死率を1%未満に低下させることが可能である。したがって、ハイチでは今後コレラ患者の受療促進(感染患者の早期発見、迅速なORS投与など)による致死率の低下と飲料水や衛生設備の改善によるコレラの伝播抑制のためのさらなる取り組みが必要である。

References

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